( /詰め込んだら長くなっちゃったのと トリップが消失してしまったので変えたよっていうのと、そんな感じです おひさしぶりだ〜 )
そう、知ってるよ、なんでも。君も、知ってるんだろうけど。−あ、靴はそこに置いておいて、いいから
( 踏み込んだ部屋の中は暗くて、じわりと濡れた靴下が床に足跡を付けてしまって、雨は扉から吹き込んでくる。靴下を脱ぐと、足が冷たい。後ろからかかるあの子の言葉も、話し方のせいかぽんぽんと弾むように軽いけれど、どこか湿っぽい。この子は自身のストーカーの男の部屋にもいとも簡単に、それこそぽんぽんと弾んで成り行きに任せるように入っていってしまうのだろうか、そう思ったけれど、扉の前で立ち止まる姿を見て、安堵を覚えた。息を吐く。彼女は成り行きなんかじゃなくて、相応の覚悟を持ってここに来たんだろうな、と彼女のこれまでに思いを馳せてみたけれど、小学生がストーカーの家を訪ねなければならなくなる事情なんて、流されるまま生きてきた自分には、想像に難かった。それでも彼女は湿っているようにも思える微笑みを浮かべて、また弾むように話すものだから、ストーカー失格といえばそうだけれど、この子のことはよく解らない。でも、彼女はきっと、なにもかも解っている。有り得ないけれど、そんな気がしたから、もう笑って誤魔化す気にもなれなかった。この子が知りたいのは名前だけじゃないとなんとなく感じたから、自己紹介は後回しにしてこの靴下をどうにかしようと、靴下を握る。その拍子に水が少し、漏れ出てしまう。果たして、靴下はどこに干すべきか。当たり前のことすら思いつかない、雨でぐしょぐしょになった頭で廊下を見る。風呂場の電気が、つけっぱなしになっていた。そうだ、靴下は、風呂場に。自分のものと、彼女のもの。靴下がふたつ並べて干されているのは、なんだか今までとはかみ合わないような、奇妙な気がした。彼女の元へ戻って、向かい合う。ポケットから出した学生証を名刺のように差し出して、口を開く。自己紹介の仕方なんて忘れてしまったから、それはもう、ぎこちなく。 )
お兄さんは、鳴海諒っていうんだ。なんて呼んでくれても構わないけれど。君にとってはただのストーカーかもしれないけど、一応、大学生だ。趣味は、散歩とか、かな。ほかに、質問は?
>>11 莉緒
おにーさん、友達とかいないんでしょ
( さっきまでさしていた傘を玄関に立てかける。壁に手を添えて、ぐらぐらと揺れる橋を渡るように彼の部屋に一歩踏み入れると、そこはまるで外とは切り離された、全く違う別の世界であるような気がした。少し色あせた壁も、規則的な木目の床も、彼の暗い髪色に綺麗に馴染んで綺麗に見えた。彼の部屋からは趣味や交友関係の広さを感じさせるようなものはほとんどなくて、生活感はまるでない。どこか不安に思いながら、そのことが返って自分を安心させているような気もする。差し出された学生証と部屋を交互に見渡して、彼の名前を口の中で転がした。今のところ、わたしと彼の関係はとてつもなく奇妙だ。風呂場に干された靴下が、そのちぐはぐさを象徴しているように見える。リュックにいくつか入っているはずの変えの靴下を探そうとするが、うまく見つからなくて顔を上げる。リュックを隅っこに置くと、うっすらと口角を上げて話しかけて。リュックの小さなポケットから花の刺繍が入ったハンカチを取り出すと、自分の髪や腕などを拭いて。ぺたりと床に座って落ち着くと、雨に濡れたせいで寒気がして、いくつかくしゃみを連発して。 )
( / トリップの件、わたしもで申し訳ないのですが、運営様の配慮でこのトリップでないと書き込めない感じになっているので酉を返させていただきますね 少し間が空いてしまいましたが、この也をまたできてめちゃめちゃ嬉しいです〜( ; ; ) )
>>13 友達のいなそうなおにーさん