( / 初回投下ありがとうございます、返信遅くなってしまい申し訳ないです〜!すごく絡みやすい初回なので無問題です……! )
( 先程まで降っていた雨は、いつの間にか止んでいたようだ。薄暗い雲の切れ目から、ほんの少しだけ晴れ間が覗いている。色とりどりの花ように咲き乱れていた傘たちも姿を消していた。自分ひとりだけがまだ傘をさしていることに気が付いて、水滴が飛び散らないよう気を配りながらそっと閉じる。建物の間から見える景色は酷く濁っていて、街全体が薄暗いなにかに覆われているようにも見えた。この分だと、雨はまた降ってきそうだ。傘はさしたままでもよかったのではないだろうか。傘を開くというような同じ動作を何度も繰り返すのは、最もとは言わないまでも苦手なことだ。人生もそれと似たものだと思う。毎日毎日同じことの繰り返し、いっそやめたくなってくる。だから、諦めたような振りをして変化を期待してしまっているのだ。あの子を尾けている理由も、きっとそれだ。空ばかり見上げていたら、足元の水溜りに気が付かず、片足を突っ込んでしまった。こういう変化は、いらない。顔をしかめては、水溜りの原因である雲を恨めしげに睨む。雨が再び降り出す前に、帰ってしまおう。水に濡れて少し重くなった足で、いつもの道を歩いていく。錆び付いたアパートの外階段を上りきった先には、いつもと違う光景が待っていた。自分を知るはずのない少女が、何故か、間違いなく自分の家部屋の前に立っているのだ。戸惑いは隠したまま、優しいお兄さんの仮面を被って、少女の顔を覗き込んだ。 )
俺の家に、なにか用かな
>>5 莉緒
(/ いえいえ…!置きレスですし大丈夫ですよー!じめじめと返させていただきます )
おにーさん、こんにちは
( じめじめとした空気の中聞こえた声に振り返った。優しさを帯びた笑みをしているが、普段はこんな顔をする人物ではないのだろうと察した。元々自分がそんな素直な子供でもないことには気づいてはいたが、今回ばかりは自分の疑り深さに呆れた。わざとらしげのある淡い甘えを含んだ会釈をして目を合わせた。目の前にいるのがストーカーである、とわかってはいたが、不思議と怖くはなかった。それが何故なのかは頭の中でぼんやりと回ってはっきりとしなかった。いつまでも目を合わせるのも抵抗があり、じんわりと濡れた靴に目を落とした。傘からは水が滴っていて、足は重たかった。髪の毛もじんわりと濡れていたし、太ももは冷たく赤くなっていた。傘の持ち手をぎゅっと強く握り締めたせいでほんの少しの間手に黄色い余韻が残っている。所々数段濃く染まったショートパンツの裾を握りしめて、相手の真似っこでもしたかったのか、もしくはそれが本来の話し方であったのか、どこかひんやりとした深い笑みを浮かべてから挑発でもするかのようにてを後ろに組んで年に似合わぬ軽い言葉を零し、冷たさの残る髪の毛を耳にかけて。 )
おにーさん、わたしのこと知ってるでしょ
>>6 すとーかーのおにーさん