>>56
「どうだか。その調子じゃ、あったら絶対吸わせるつもりだろ?」
悪臭で頭が回らなくなってきてはいるが、『目の前の少年はそれくらいやりそうだ』と思い、
「……それが悪臭を放ってなくても、周りの死体が臭すぎる。」
「その死体も臭い始めてるからこっちに来ないでくれ、マジで。」
いい加減この場から(というより悪臭から)離れたいのだが、そうはなりそうにない事に困りながら。
渡そうとした煙草を死体のポケットにしまいながら
「まあな。俺は吸ったことはねえが、一度摂取するとやめられねえって聞くぜ。」
と言う。
引き寄せていた死体も臭ってきていると言われ、確認すると
「え、マジで?…本当だ。やっぱり子供の死体は腐りやすいから扱いにくいぜ。」
「悪かったな、死体にベタベタ触ってる気味悪い奴がいきなり近づいたら遠ざかりたくなるのは当然だ。」
とほんの少し申し訳なさそうな顔で相手から少し離れる。