>>65
まるで、僕の事を全て知っているような口ぶりだな。
(相手の言葉のどれかが本人の心を抉ったのだろう。ガスマスクで顔は見えないものの冷ややかな笑みを浮かべてまだ声変わりもしていない声で言い放つ。そして相手の近くまで歩み「なら」と付け加えた後下に続けて。)
アンタに聞こう。アンタには自分の身よりも大切な人はいるか?
(少年の問いに対し、自分の身の上を、
改めて頭の中に思い起こし、返答する。)
「俺には居るな、妻と子供が1人居る。
アンタがもしも、言動の矛盾を指摘したいなら、
そいつァ筋違いだ、そうと決まっちゃァねェがね。
自分自身より大切な人がいるンなら、
それこそ生きなきゃいけねェ、そいつ等の為に。」
(明るく話そうと努めるが、妻子を思うと、
どうしても表情が陰って来てしまう。
それでも、声色だけでも明るくしようとする。)