>>59 副隊長殿
何処へ…
(心と口はそう叫んでいたとしても、竜狩りの頭は冷静に考え直している…
幾ら何でも大蛇には透明化の力など存在しない、仮にあったとしても
副隊長殿の奇襲に使わなかった時点で不自然だ
残る、視界から消えり為に使った物は…)
地面
(よく考えれば分かる事だった、直前まで穴を掘っていたのは
紛れもなく大蛇である、まさか一瞬にして自分を覆い隠せるほどの
穴を掘れるとは思わなかったが)
…なら…次は何をして来る…?
地面を割って現れる大顎 噛み砕かれる 人
脳内にそんな映像が流れ、竜狩りは気付く
今、大蛇を一番怒らせているのは…
「賦朱さんっっ!!!」
(瞬間、副隊長真下の地面が 巨大な顎門へ変わった
閉じられたかけたその巨大な顎、の中に鮮血が走る)
「うっ…ぎぎき''き''っ」
竜狩りの長槍は、顎門を閉じさせなかった
(閉じられたかけた瞬間、竜狩りは顎門の中に飛び込んでいた)
「無事…であって くれてありますよなっ!?」
>>60 ヘイネさん
「…ーっ⁉」
大きく名を呼ばれ、驚き振り返る。
その瞬間、下は地面ではなく自分を飲み込もうとしている口に変わった。
(…僕は、死ぬんだ…)
自分で驚くほどにあっさりと死を認めようとした。
しかしいつまでも痛みなどない。
そのかわり、目の前には見慣れた人の姿があった。
「…ヘイネ…ッ⁉」
目を見開き、何度驚いたのか分からないが再び驚き。
自分は助けられた、ヘイネは今ピンチ。そこまで考えるのに時間はほとんどかからなかった。
今度は僕が助けなければ、と地面に突き刺さるナイフを抜き取っては
軽い身のこなしで大蛇の眼を狙う。どんな生物だって目は弱いものなのだ。