>>18
「うん、いいよ」
トランプを一枚一枚丁寧に拾いながら、彼女は答える。少しだけ、言葉に迷いを溶かしながら。トランプを拾いきり、パーカーにポケットからケースを取り出す。その中にトランプをしまうと、申し訳なさそうに笑ってこう言い放つ。
「でも、ごめんね。僕そこまでマニアックなものは知らないんだ。」
相手の顔色を伺いながら何か面白いルールはなかったかと、脳をフルに働かせ考える。途中で何かを思い出したようで。相手の手を取ると、階段を指差す。付いてきてほしいというように相手を見つめ、手を放し階段を登ってゆく。
>>19 ◆0/zhwo サマ
「 ダウト 」
家主の後を着いて行きながら、クスリと笑ってそう言った。確かに家主とは深い仲という訳でも無いけれど、そんなずっとトランプをやっている者がそんな詳しくない、という事は無いだろう。マニアに通じるマニアックなルールは知らなくとも、オリジナルの何かを作ることだってあるだろうし。それか、定番のもののルールを少し改変してみるかだ。…まあ、ダウトと言うのも、少しゲームが違う気がするが。
「 まあ、何でも良いよ。ポーカーでもブラック・ジャックでも、私は何でも付き合うからね」
木の階段を踏みしめる音を聞きながら、これからやるであろうゲームを頭に思い浮かべ、ニコリと笑う。遊びが一人よりも複数人でやる方が楽しいなんて、とっくのとうに知っているのだ。