>>49 ▽ クリフさん
お、お待ちください!
( 剣に添えられた左手を見ては、慌てて駆け寄り止めにかかり。魔術を用いて植物の蔦で動きを止めることもできただろうが、そうしなかったのは下手に騒ぎを起こさないためでもあるのだろう。相手の左手に手を添える形で止めようとしたが、返って刺激してしまうのではと戸惑い、両手は祈るように胸元へ。反乱軍を刺激してしまわないように、そして相手も刺激してしまわないように。やや頭を下げつつ、命だけはと口にして )
私たち魔術師も、混乱しているのです。命を奪う事だけはどうか…
「フン、其の言葉に偽り無き、それは確かか。
少なくともお前は真に望んでいるのだろう。
国と国の諍いが収まる、その日が来る事を。」
(その女の目に宿る堅い意思は本物と直感し、
フゥッと息をつき、威圧の構えを解いた。
しかし、剣に掛かる手はまだそこにあった。)
「──だがお̀前̀だ̀け̀だ。周りを見てみろ。
敵意の目は、私一人を見つめているぞ。」
(そう言いつつ男は振り向く。そこには、
激しく警戒の意思を露わにした魔術師達。
中には既に戦闘の構えを取る者さえ居た。)
「混乱を起こすまいと吾を諭したのだろうが、
最早その言葉が届くには手遅れ、という事だ。」
(数十人といる魔術師と、一人そこに立つ騎士。
漂う空気は、一触即発の様相を呈していた。)
>>53 リリィ