>>89 クリフ様
ク、クリフ様……!任務の途中なのに私なんかを気にかけて頂けるなんてっ。貴方様が隣に居てくださるなら、どんな不運も怖くありません!
( お使いについて来てくれる。そうわかった瞬間両手を胸の前で絡めてはキラキラと輝いた瞳をクリフに向けた。もし最悪、今隕石が降ってきてもこの方ならなんとかしてくれるわ!なんてオーバー気味な信頼を置いている人が居てくれるなら百人力。「では、さっさと済ませてしまいますね!あそこのアンティークのお店なんです。先輩がティーカップが素敵だからって、頼まれたんですよ〜」とニコニコと上機嫌そうに。目的のお店はすぐ近く、相手からははぐれない程度にルンルンと歩いていく。それでも気分が良いせいか相手からは少し離れてしまい、それが厄介事を招いてしまった。 )
……?ひっ!?
( 「おいお前、王国の者だな」なんて入口の前で声をかけられればきょとんと声のする方向に顔を向ける。目の前には、きっと魔術師。だって、顔から殺気が溢れ出ているもの。怯えていたまさかの事態が急に降り掛かるとは思っていなかったようで、小さな悲鳴を上げた。「見たところ見回り騎士でも何でもない…召使ごときがこの街に何の用だ」と、敵意剥き出しの声。自分が、クリフ様がいるからと安心して離れたのが良くなかったのだ。でもこんなにすぐに不運を招くなんて思わないじゃない。どうやら魔術師は、クリフとクロエが行動を共にしている事を知らないらしく、クロエの返答次第では襲いかかってくる可能性も否めない。「わ、私はただ…お買い物を…」なんて怯えきった言葉を口から零して )
「全く、あまり離れすぎると……。
──あっ。ハァ…、クロエの奴め……。」
(せめてもの忠告を、と思い口に出そうとしたが、
その側からクロエはすぐに軽快に歩き出して、
10秒と経たない内からもう悲鳴が聞こえてくる。
なんてサガだ、と呆れながらも声の方へ向かう。)
「あれか。成程厄介そうだが、まぁ雑魚か。
──おい貴様、この娘に手出しは無用だ。
従えぬなら、この場で骸に変えてやるぞ。」
(2人の間に割り入る様に魔術師の男に掴みかかり、
顔を近付け、凍てつかんばかりの圧で脅迫する。
だが魔術師は『やれるものならやってみろ!』と、
男の覇気に気圧されつつも勇ましく言い返し、
周りに居た魔術師であろう者達までもが、
次々とこちらに注目し、空気に緊張が走った。)
「──フフフ成程、どうやら吾もツイてない。
クロエ、確かお前もある程度戦えたよな……。
少しで良い。どうか吾を手伝ってくれまいか。」
(周囲に目線を走らせながらクロエに寄り添い、
背中合わせの形で、相手に頼み事をする。)
>>90 クロエ