潜鴉
「地獄からは逃げられない……」
両足を掴んだまま取引相手……隅影が土を掻き出す限界を迎えるまで地面に潜り、引きずり込み続ける……相手がどれだけもがこうと地下は何処までも深い……現状のままでは体力と異能が限界を迎え、限界を迎えた途端に上から大量の土が振りかかり、瞬く間に生き埋めにされてしまうだろう。
水鴉
「ヒヒヒ……その手には乗らねぇぜ……?」
水鴉が直接触れて操ることが出来る水の範囲は限られているが、水圧のレーザーであれば操作範囲を外れて霧散する前に相手の体を撃ち抜くことが出来る。
それを利用する事で遠隔でも相手を仕留めようと、再び水鴉は大きく口を開けてその口内から次々と水圧レーザーを放ち、桜空への追撃を仕掛けていく。
隅影《2分半経過、か・・・・・厄介だな・・・・・》
(能力を最大限使用できるタイムリミットは刻一刻と迫ってきている・・・・・
臆病な鴉共だと見下していたが、どうやらただの臆病者でもなさそうだ・・・・・
このままではこちらが不利になる・・・・・)
ザシュッ!
ズッ・・・・・!
桜空「くそがぁっ・・・・・!!!!!」
(悪魔の水圧レーザーが、桜空の右腕を貫通する・・・・・
心臓などの急所ではないものの、激痛は動きを鈍らせる・・・・・
一旦、避難した方がいいかと判断し、屋上へと移動する・・・・・
そこにもう一人、高みの見物をしている親鳥がいると知らずに・・・・・)
ドサッ・・・・・
桜空「はぁっ・・・・・!はぁっ・・・・・!」
(屋上に移動するなり、膝から崩れ、片腕を抑える・・・・・
そして、視線を感じる方向へと振り向くと、そこにいる白髪、そして冷たい眼をした黒服の少女と目が合う・・・・・
直感が警鐘を鳴らす、コイツは敵だと・・・・・)
>>116