>>128
《ガッ》
氷華
「……弁明も言訳もしない。貴方が私達を悪と蔑むのならばそれもまた私の背負う業。正義を示すためには千の屍が、悪を滅ぼすために万の屍が、平和な世界を築くために億の屍が必要だと言うのならば喜んで捧げましょう。
それで平和な世界に生まれる兆の命が争いも、悲しみも、憎しみも、悪による恐怖も感じる事がなくなると言うのなら……私はその道を歩むことを躊躇いはしない。」
桜空が自分の腹部に向けて拳を繰り出すのを見ると、相手の伸ばした腕の肘に向けて左拳を振り下ろして上からの打撃によって彼の殴打を阻止し、腹部への一撃を捌くと、自分は正義のためなら大量虐殺や大規模破壊による数多の犠牲者さえも躊躇わないと応える。
《タンッ》
氷華
「貴方にも貴方の理想が、信念があるのでしょう……
けれど、私もこの道を譲るつもりはない。例え私が死んだとしても……必ず私は私の理想を現実のものとしてみせる。」
【「氷蓮六華・頞部陀(アブダ)」】
氷華は宙に向かって飛び上がり、クルリと一回転すると、空間移動をしたとしても届かないだろう空中の氷の足場の上に降り立ち、両腕を広げ、ビルの屋上全体を覆う無数の小さい氷柱が形成され、それら一つ一つがまるで雨粒のような密度と数となり、ビルもろとも桜空を撃ち抜き破壊しようとする。
桜空「っ・・・・・!!!!!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!
(桜空の姿が、撃ち抜かれてゆくビルの残骸の中へと消えてゆく・・・・・
やはりコイツは敵に回してはいけなかった、その後悔だけが募る・・・・・
・・・・・いや、まだだ、勝機はなくとも、逃げ道ならある・・・・・
桜空は崩れ落ちる残骸から残骸へと、短距離を移動しながら足場にしこの瓦礫の雨からの脱出を試みる・・・・・)
隅影「そのままおねんねしてな、永遠にな・・・・・」
ゴガガガガガガガガガガガッ!!!!!
(崩れゆくビルを掘り進み、巻き込まれる前になんとか隅影は脱出に成功する・・・・・
一時はどうなるかと思ったが、なんとかチップも無事で、あとはこのままこの場を去るだけだ・・・・・
鴉の集団がどうなろうと、桜空がどうなろうと、知ったことではない・・・・・)
>>130