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狼谷
「凄いな……金鵄と対峙しながら生きて帰れる奴がいるんだな……」
黒いファイルを持ったまま両腕を組んで少し考える。
これまで氷華はどの敵も決して逃がさずに徹底的に追い詰め、殲滅して来た……もし、桜空が空間移動能力を持っていなければ確実に殺害されていただろう。
抗おうにも、桁違いの攻撃力を持つ氷華に挑んで生還できた者を狼谷は見たことも聞いたことも無く、狼谷が氷華の近くで任務を遂行していた際にも氷華は無慈悲に敵対者を殲滅しているのを何度も見てきた。
狼谷
「それじゃ、ボスの回復が終わったら何時もの喫煙室に来てくれ。
八咫烏と、奴らの拠点についての情報が手に入ったからな、それを伝える。」
裂傷した傷には凍傷と思われる影響も見られ、肌の一部が黒くなってしまっている事からも、本当に氷華が取引現場に現れたのだとわかり、治療マシンによる傷の回復が終わったら八咫烏についての情報の入手に成功したため、このアジトにある喫煙室に来て欲しいとだけ伝える。
桜空「あぁ、わかった・・・・・」
(そう言うと、治療マシンの中で眠り始める・・・・・
ここで治療を受けている間は、さっきまでの戦いが嘘だと思えるほどに、安らかな時間のみがただただ流れる・・・・・
そうして桜空は、夢へと入っていった・・・・・)
悠矢「ウチに記憶抜き取り系の能力者でもいれば楽なんだけどねぇ〜・・・・・で、どうするよ?氷華ちゃん・・・・・奴ら、拠点がどこかもわからない以上、あの襲撃以降、取り引きの際は俺らに備えてくるかもよ?」
(悠矢もおちゃらけてばかりではいるものの、馬鹿ではない・・・・・
敵はどう出るか、こちらはそれに対応してどう出るか、氷華同様に悪には徹底して容赦なくかかることを考えている・・・・・
悠矢は、氷華はどうするつもりなのかとニヤニヤしながら真剣に問いかける・・・・・)
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