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狼谷
「最初はうちのボスもまともだったんだがな……
犯罪組織を潰していく内におかしくなっていったんだ……」
最初の頃の金鵄(氷華)は今とは違い、民間人を巻き込むことを嫌い、相手が悪人であろうと、救える者は救い、苦しめられ虐げられる者を守るためにその力を使っていた事を狼谷は知っていた。
だが、上に登り詰めるにつれて、犯罪組織や悪党を潰すにつれて今のような歪み、捻れ、荒んだ正義を翳すようになった……そして、人間の心を捨てるにつれ、彼女は力を増していった……それはまるで失った心を埋めるかのように……
狼谷
「………俺だ。」
自分の携帯電話でなく、わざわざ桜空の携帯を通じて連絡をよこして来たことに違和感を抱きながら、その見知らぬ連絡先からかかって来た電話に桜の代わりに出る。
自分の名前や素性がバレないように最低限の言葉だけを返し、その反応から相手が誰なのか、何を目的にしようとしているのかを推測しようとする。
ボス「あ、もしもーし!電話番号変えたから一応言っておこうかと思ったんだけど、その声は、狼谷かな?桜空は?」
(相手はまさかのボスであり、番号を変えたから一応言っておこうという、普通のことではあるのだが、場の緊張感が一気に乱れるような声のトーンで言ってくるあたり、よく今まで捕まらなかったと思えるほどである・・・・・
だが「八咫烏の方はどうだい?スパイ任務も楽じゃないだろう?」と、気遣ってのことか、何か進展はあったのかという意味合いでか、どちらともとれる問いかけをする・・・・・)
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