夕渚「・・・・・氷華、ちょっといい・・・・・?」
(上半身を起こして、相手の両頬に両手を添え、じっと目を見つめる・・・・・
それは、まるで子供がなにか悪いことをした時に親が嘘を見破るための行動、もしくは泣いている子供を落ち着かせるために親がする行動のどちらにも考えられ、夕渚の表情、雰囲気は普段の明るく子供っぽい無邪気な感じとは異なり、どこか大人びた印象を受ける・・・・・)
>>205
氷華
「……?
どうかしたの……?」
以前までの自分であれば落ち着いて穏やかな、人間としての自分でいられる筈の場所にいる中でもこの内面的な変化を感じ続けてしまう……
少しずつ自分が自分でなくなっていくような感覚……
だがそれ以上に、その変化に対する拒絶反応や違和感が自分の中から無くなっている事に焦りを覚えてしまう。
最終的に自分は異能と同じように氷のような心をした存在になってしまうかもしれない……そうなった時……夕渚はどう思うだろうか?……弟が生きていたとしたら……そんな自分を見て何を言うのだろうか……?
だが、自分が止まれば世界は悪と腐敗が蔓延る世界になってしまう。
誰かがやらなければならない。誰かが世界を変えなければならない。
それをするために自分は強い力を持って生まれた。
自分にしか出来ない、自分の生まれてきた意味、存在理由だ。
叶うのならば、身も心も完全に人ならざる者になってしまう前に世界を救いたい……