【回想→現在】
桜空と氷華の過去の思い出の一つ。
幼い頃に交わした理想とも呼べる約束。
氷華はビルの一室にある、テーブルと椅子、小さな棚にベッドだけと言う何時でも退避可能な簡素な自室にて、窓の外からの狙撃対策として部屋の電気を付けず、窓の外から差し込む月明かりだけを頼りに凍らせていたペンダントを開き、回想していた。
ペンダントの中には唯一生き残った肉親である自分の弟の桜空の幼い頃の写真が入っている……その写真の取り出し、裏に書いてある文字を見てクスリと笑うと、再びペンダントの中へと戻していく。
氷華
「……懐かしい思い出。
貴方は今、どこで何をしているの?」
桜空「・・・・・正義のヒーロー、か・・・・・悪という立場でありながら、この世界でしか生きていけない立場でありながら、悪になりつつある正義を止めようとしている俺達は、なんなんだろうな・・・・・」
(桜空は、月を見つめながら、自分把握なのか、それとも姉の目指していたヒーロー像とは違うものの、これもまたひとつの正義として成立するのか、正義と悪の定義とはなんなのかが、桜空を悩ませる・・・・・
もしまだ姉がどこかで生きているならば、自分を叱ってもらいたい・・・・・
どうすればいいかわからないが、叱ってもらいたいという感情だけが湧き上がってくる・・・・・
桜空は、不審者にリンチされた時に意識を失ってしまった為、当時の記憶がリンチされた時からその後については存在せずに、姉の安否すらもわからない状況だった・・・・・)
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