>>245
氷華
「………此処に長居しても得にはならない。
それに私は治安を守るもの、後始末は私がやっておくから心配なんていらないわ。」
氷華は立ち止まって動こうとしない夕渚を見て、一瞬だけ何故相手が動かないのかを考え、その結果として相手がこの店の事をよく知らず、また助け出された事から店を不審に思ったとしても、その中に自分と同じ境遇にいる者が居るのではないかという結論に辿り着くと、この店については後で自分が始末しておくと言う。
氷華
「……貴方、優しいのね?」
また、このように考えを巡らせたのは始めてである事から相手の自分以外の者にも向ける優しい心を感じ取ると、現在の氷華ではすっかり見せることの無くなった優しい笑みを浮かべる。
へ・・・・・?優しい・・・・・?
(普段から自分はこんな感じであり、周りもそれをわかっているからか、優しさ=当たり前になっていて自分も周りもそのことに誰も気が付いていないのか、優しいと言われると、きょとんとする・・・・・
怪我をしている人がいれば助ける、困っている人がいれば手を差しのべる、綺麗事と言ってくる人もいるが、これは本来は当たり前のことだと自分は思っていた、そして、周りも同じ考えだと思っていた・・・・・
だからこそ、優しいと言われたのが意外だった・・・・・)
>>246