>>269
氷華
「………………。」
路地裏の奥では氷華は傷付いたカラスを左腕に止めさせ右手だけで器用かつ、優しく手当てをしているものの、氷華の傍には氷に包まれた肉片が無数に転がっており、氷華の中にある慈愛と冷酷、優しさと冷たさの二つを兼ね備えた様子が見て取れる。
夕渚「あっ・・・・・いた・・・・・」
(氷華のことを見つけると、物陰に隠れながら氷華の様子を見守る・・・・・
辺りに無数にある凍りついた肉片に関しては、そのまま人が凍らされているわけではないのと、夕渚が鈍感で天然なことも相まって、何なのかは気にはなるもののそれが元人間だったモノであるとは気づかずに、特に気にすることでもないだろうと判断する・・・・・
黒服に身を包む氷華と、その氷華から手当てを受けるカラスは、どこか似た者同士のようにも見える・・・・・
それは、氷華の服とカラスの色が同じ黒だからか、それとも・・・・・)
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