>>274
氷華
「そう………それならちゃんと気を付けなさいね?」
氷華は右腕に止めていたカラスを優しく撫でた後、カラスを自由に空へ羽ばたかせると、路地裏の更に奥に広がる暗闇の中へと歩き去ろうとする。
自分は表の世界の苦労を知る前に裏の世界へと落ちてしまったため、表の世界の苦悩を知ることが出来なかった……
だが、物陰に隠れたままの夕渚から返ってきた言葉には力がない事から何か嫌なことでもあったのだろうと思うものの、自分にはそれに言及するだけの権利は無い……
夕渚「・・・・・あなたも、気をつけてください・・・・・あなただって、私と同い年の女の子なんですから・・・・・」
(ちゃんと気をつけるように言われると、夕渚はあなたも気をつけてくださいと言葉を返す・・・・・
氷華から見れば夕渚は何の力もないただの一般人かもしれないが、夕渚から見れば、生きる世界が違えど、能力を持っていようと、自分と同い年の女の子であり、もし誰かに襲われたりでもしたらという不安がある・・・・・)
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