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氷華
「貴方は本当に表情豊かね?
……少し羨ましいわ。」
氷華は感情が読みにくい微笑を浮かべながら、人並みに喜怒哀楽がある夕渚を見て、感情豊かだと言った後、相手に聞こえないように小さく"羨ましいと"呟く。
自分は過去から逃げられない、失ったモノに対する執着を捨てられず、感情の多くを幸せな記憶と共に失ってしまったのだが、対する夕渚は過去に凄惨な思い出があったのだろう事は先程の彼女の悲しげな声からわかるものの、それ乗り越えて感情を残せていると言う精神的な強さに対しての尊敬も含まれている……
夕渚「・・・・・いえ、私の感情は・・・・・とっくの昔に死んでしまいました・・・・・」
(そう言うと「今の自分が、過去を思い出したくないあまりに自分が作り上げた偽りの自分なのか、それとも無意識に出ている本来の自分なのか、わからなくなるんです・・・・・」と告げる・・・・・
人前では明るく振る舞うために、友達にも過去のことは明かしていない、思い出したくないから・・・・・
そうしている内に、今の自分は本当の自分なのか、それとも振る舞いの為に作り上げた偽りの自分なのか、わからなくなってしまった・・・・・
ある意味、夕渚は悪を粛清する正義の道を進まなかったもう一人の氷華なのかもしれない・・・・・)
悠矢「ではまず、窓から出て垂直の壁をわずかな溝に指をかけて登ります」
(親切心からくる説明のための敬語なのか、丁寧に説明し始めるものの、ハッキリ言ってその方法はス〇イダーマンかと言いたくなるような人間離れした方法であり、頭がおかしいと言わざるを得ない・・・・・
本気で言っているのか、思いつきで言っているのか、定かではない・・・・・)
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