>>296
氷華
「……そうかしら?」
氷華の頬は微かに温もりが残っており、夕渚の手に氷華の体温が伝わるが、氷華は自分はどれだけ感情が失われているのかを知らず、虚ろに微笑んだまま無理をしていると言われても特に意に介していない。
氷華
「私はこれからまた去るけれど……
また貴方とは会いそうね……?」
氷華は夕渚から再び離れ、墨で塗り潰したかのように漆黒の闇が広がる路地裏に向かって歩き始める……これからまた犯罪組織が日本国内で反政府テロを企んでいると言う情報を掴んでおり、その犯罪組織を殲滅するために立ち去らなければならない……
こうして偶然にも二度出会った……ならば三度目もある……氷華はそう確信している。ノエルと違い、同じ思想や理想は無いものの、自分と違い人間らしさを残した夕渚に対して氷華は関心を抱いており、次に会った時は自分の理想についても話してみようかとも考えつつ、闇の中へ去っていこうとする。
夕渚「・・・・・えぇ、また会いましょう・・・・・」
(氷華同様に、夕渚もまた会えるという確信があった・・・・・
言葉では説明出来ないが、氷華には惹かれる、友達になりたいという気持ちが会う度に強まってゆく・・・・・
友達がいないわけじゃない、学校に行けばいつも親友達に会える・・・・・
だが、その親友達とはどこか違う、同じ歳でも自分とも親友達とも違う相手に、謎の魅力を感じたのかもしれない・・・・・)
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