>>323
司
「うん、今日はマスクをしていないんだね?」
司は笑顔を崩さず、陽気な口調で今日はいつも付けていた酸素マスクを付けていないのかと話を続けようとする。
彼は此処に来てからずっと笑顔のままなのだが、彼の笑顔は薫のものとは違い、まるで笑っている仮面を付けているようであり、酸素マスクを外した桜空とは対照的な雰囲気も持っている……
だが、それは親近感を呼ぶものと言うよりも、桜空と決定的に違う"歪み"を感じさせるものとなっている……
桜空「ぇっと・・・・・ぅ、ぅん・・・・・」
(言葉でうまく言い表せないが、正直、相手が怖い・・・・・
今の桜空の人間不信になってしまったことからくる他人への恐怖の感情とはまた違い、人間が本能で感じ取る恐怖、と言った方が正しいのかもしれない・・・・・
相手は怒っているわけでも、睨んでいるわけでもないのに、怒られたり睨まれたりするよりも断然笑顔が怖い・・・・・
相手を直視できない・・・・・)
>>324