桜空「・・・・で、でも、僕・・・・・お腹空いてな(きゅるるるぅ〜・・・・・)」
(桜空自身は、本当に食欲が無い・・・・・が、体は正直だ、前触れなく腹の虫が鳴る・・・・・
ここ数日、食べると言ってもパンの欠片を本当に一口以下くらいの量を口にするだけであり、一日おきにではなく三日に一度しか口にしない日もあり、完全に目に見えて衰弱しているのがわかる状態だった・・・・・
そして今、ようやく体が正直に空腹であることを証明する・・・・・
挨拶をした子も、多分辛いことがあってここにいるのだろうというのはわかる、でも自分と違って元気だし、笑顔だ・・・・・
そして先生は、みんなに元気を分けているようにも見える・・・・・
桜空の心の中で、凍てついていた何かが溶け始めていた・・・・・)
>>332
薫
「ほら、お腹の方は空いたよ〜って言っているよ?
まだまだ若いんだから無理せずに食べないといけないよ。」
少年院の少年達
「薫先生、おばあちゃんみたいな事を言うね!」
薫
「なっ!私はまだ24なのよ!?せめてお母さんと言いなさいお母さんと!」
薫は楽しげに笑いながら桜空のお腹が鳴ったのを聞いて、我慢をするのはよくないと言うと、その言葉を聞いた他の少年達に少しからかわれながらも、陽気に応える。
彼女は儚げな雰囲気を持ちながら、強く輝く太陽のように明るく接し、日の当たらない場所にいる者をも明るく照らし、凍てついた心の氷も溶かそうとする……それが須藤薫と言う人間なのだろう。