>>333
薫
「ほら、お腹の方は空いたよ〜って言っているよ?
まだまだ若いんだから無理せずに食べないといけないよ。」
少年院の少年達
「薫先生、おばあちゃんみたいな事を言うね!」
薫
「なっ!私はまだ24なのよ!?せめてお母さんと言いなさいお母さんと!」
薫は楽しげに笑いながら桜空のお腹が鳴ったのを聞いて、我慢をするのはよくないと言うと、その言葉を聞いた他の少年達に少しからかわれながらも、陽気に応える。
彼女は儚げな雰囲気を持ちながら、強く輝く太陽のように明るく接し、日の当たらない場所にいる者をも明るく照らし、凍てついた心の氷も溶かそうとする……それが須藤薫と言う人間なのだろう。
桜空「・・・・・」
スッ・・・・・
ぱくっ・・・・・
(無言でトレイのお皿に乗せられた温かいロールパンを手に持ち、一口食べる・・・・・
よく噛んで飲み込むと、自然と涙が溢れ始め、今まで食事をしなかったのと打って変わって、もくもくと食べ始める・・・・・
色々な感情が入り乱れているのだろう・・・・・
きっと、家族と食事をしていた頃にもこういうメニューがあり、楽しく食卓を囲っていたのだろう・・・・・
桜空は、ようやく希望が見え始めたのかもしれない・・・・・)
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