>>375(桜空)
薫
「わかった……直ぐに戻って来るから!待っていて!!」
薫は複雑な表情になるものの、葛藤していられる時間は無いことから、直ぐに戻って来ると言うと、意識を失った子供を抱えて医務室にまで箸って行く。
司
「………面倒なのに目を付けられちゃったね?」
丁度、神宮と薫が去ったタイミングで薫の走っていった方向から両手足や首に囚人の証である黒い首輪や手枷足枷を付けられていないがら、ニコニコと笑顔を浮かべている少年……司が現れ、瀕死の桜空を見下ろして言う。
隅影「そいつは部下じゃねぇ、俺の取り引き相手だ、部下にするには使えねぇよ・・・・・」
(そう言うと「悪いが俺は先に逃げさせてもらおう、桜空はまぁとにかく頑張って抜け出せや」と言うと、霧が広がってきたことにより視界を遮られ始めるものの、逆にそれを利用して相手へと建物の破片の一部を投げつけると、そのまま地中を掘り勧めて海岸までたどり着き、他の停めてあった船に乗り込んで逃走してゆく・・・・・)
桜空「なっ・・・・・!?くそっ!何だこれっ・・・・・!?」
(桜空は、まるで相手の作り出した霧の城にて囚われた、掌の上で舞踏曲に合わせて踊るしかできない哀れな招待客・・・・・
視界も遮られ、方向感覚もわからなくなった今、相手からすれば自分はまさに獲物以外の何者でもない・・・・・
ここで捕まっては、数日後の武器工場襲撃の計画も実行できなくなる・・・・・)
桜空「・・・・・ぅ・・・・・うう・・・・・?」
(視界だけでなく、聴覚もぼんやりとした感じで、司の声がぐわんぐわんと響く感じで、上手く聞き取ることが出来ないが、目をつけられた、の部分はなんとなく聞き取ることが出来た・・・・・
が、桜空はその言葉に込められた真の意味を理解することは出来なかった・・・・・
桜空は、再び意識を失うと同時に、呼吸も一時的に停止する・・・・・)
>>377