>>446
薫
「ええ、もちろん。
だからどれだけ今が辛くても耐えるの……」
薫は優しく微笑みながら応えるが、彼の姉がどうなってしまったのかは自分にはわからない……だが、生きる事を諦めない限り、どのような結果であれ、必ず知ることが出来る。だからこそ、神宮のような卑劣漢に踏みにじられようと、生き続けるように言う。
【8年後】
それから八年の年月が経過し、13歳と言う若さでfirstのボスとなった桜空がいる人里はなれた山荘を用いたアジトに突如として十二鴉の狼谷(当時はfirstと敵対していた)が現れ、吹き荒れる暴風を纏い、天井を蹴破って桜空達の前に現れる……
鴉狼
「下らねぇ小悪党共もこれで終わりだ。誰も逃がさねぇし、誰も生かしておくつもりもない。」
狼谷は剣を手に挑みかかるfirstの構成員の三人がかりの集中攻撃を、紙一重で全て避けきり、すれ違い際に彼らの体を両手に纏った風で切り裂き、至近距離で放たれた機関銃の銃弾も、全て見もせずに避けると、反撃として風の刃を放ち仕留める。
瞬く間に四人もの武装した戦闘員を掠り傷の一つも付かずに一方的に殺害し、剣撃も銃弾も避けると言うように、人並み外れた戦闘力と回避力を見せる……通常の者であれば、圧倒的な実力を持った狼谷(当時は鴉狼)に恐怖し、戦うことすら放棄しようとするだろう……
桜空(幼少期)「ありがとう、先生・・・・・」
(時折見せる、大人びた雰囲気を纏った悲しみが詰まった表情・・・・・
純粋に子供らしい一面がある一方で、忘れられない、忘れてはいけない悲しき過去を背負うことになった人間の面を併せ持つ桜空は、この時点で強い人間になりつつあったのかもしれない・・・・・)
【8年後、山荘のアジトにて…___】
桜空「・・・・・参ったな、あまり死人が出たら困るんだがな・・・・・」
(そう言うと、椅子から立ち上がり「何が望みだ・・・・・?どうしてここがわかった・・・・・?」と、相手に言葉を返す・・・・・
こんな人里離れた山奥の山荘を、存在は知っていても確実に犯罪者が隠れ家にしていると判断できるのは事前に何らかの情報を得ている人間に限られる・・・・・
ましてや、いきなり突撃してくるとなると確実だろう・・・・・)
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