>>47
氷華
「……随分と騒がしいわね?
……私達は名乗るほど大層な存在ではないわ。」
氷華は自分と並走するようにして自転車の速度を落とし、大音量で話し掛けて来るリーダー格と思われる不安と呼ばれる人物がやって来るのを見ると、彼から他の暴走集団へと視線を移し、ゆっくりと両腕を広げる。
両腕を広げた氷華の周囲には多数の10cm程の大きさの氷柱が多数生成され、広げた両腕を暴走族の物達へ向けて翳すと、形成された全ての氷柱が銃弾のような速度を持って打ち出され、リーダー格ではなく、依然として速度を上げて暴走している者達の制止を先に行うことにする。
氷華
「私は警察じゃない……警告は一度しかしない。大人しく下がると言うのなら凍り付けだけで許してあげる。だけど……従わないようなら私は貴方達を"排除"しなければならない。」
自転車乗りの周囲に対して攻撃を繰り出し、尋常ならざる実力を示した上で、リーダー格と思われる相手に対して大人しく下がるのであれば氷付けにするだけで命を奪うことまではしないものの、反発し続けるのであれば容赦なく殲滅すると警告してみる。
尚、氷華の氷弾が当たった自転車達は急速に氷が広がって行き、そのまま乗り手達をも拘束しようとする。
「...この前変なヤクザの取引邪魔しまくって無視された高校生たちがいたろ。ネットで有名になったあの動画の奴らだ。」
「あいつら当時、近場でお前と似た女を見たってよ...」
「どっちにしろ死ィィィイイ!!商店街で待ってるWOMAN!」
一瞬重いトーンで、しかしすぐにいつもの調子にもどってそういうと、女性を追い抜いてスピードを上げ、商店街へ先行っていく。
商店街は六里ほどであったが、そこには既に「不安」の仲間が集結していた。