>>48
「...この前変なヤクザの取引邪魔しまくって無視された高校生たちがいたろ。ネットで有名になったあの動画の奴らだ。」
「あいつら当時、近場でお前と似た女を見たってよ...」
「どっちにしろ死ィィィイイ!!商店街で待ってるWOMAN!」
一瞬重いトーンで、しかしすぐにいつもの調子にもどってそういうと、女性を追い抜いてスピードを上げ、商店街へ先行っていく。
商店街は六里ほどであったが、そこには既に「不安」の仲間が集結していた。
>>緋染
氷華
「……そう、話し合いで解決するつもりは無いようね。
それならもう警告はしない、実力で排除させてもらう。」
《パチンッ》
氷華はU字で高さ5mもある巨大な氷壁を不安を取り囲むようにして瞬時に形成し、彼の行く手を阻もうとする。
自転車をもって飛び越えようとしても5mのほぼ垂直で、表面が滑り易い氷壁を乗り越えるのは非常に困難であり、更に左右へ移動して回避しようにもU字に展開された氷壁はその可能性さえも潰す。
相手の異頭や、異様に大きい声から察するに音に関連する異能を持っている可能性がある事から、浮遊する氷塊を上昇させて距離を取って警戒し、相手からの反撃に備えておく。
既に日は沈み、夜闇の訪れと共に気温が下がり始めている……それはつまり、刻一刻と氷華の能力の制約が緩和されている事を意味している。
氷華
「話し合いによる交渉は決裂した。
後始末は貴方に任せてもいいかしら?」
自分と同じく浮遊する氷塊に乗って殺戮と闘争を待ち望んでいる緋染に対して、商店街に集結し、不安を待つ者達の始末を任せてもよいかと問いかける。