>>560(桜空)
素鴉
「どうした、まだまだ軽いぞ……!!」
桜空が繰り返した顎を狙った蹴りだが、顔の近くに構えていた右腕によってその蹴りをガードしつつ、放った二発のジャブが桜空の顔の右側面と右腹部に直撃してダメージを重ねていく。
素鴉は筋肉の鎧を持っている事から圧倒的な防御力を持っているのに対し、桜空からの攻撃でダメージになる箇所は限られており、非常に不利な状況での戦いとなっている……
素鴉にとっては速度に特化したジャブだが、それでも素鴉の腕力から来る一撃はその全てがまともに受ければかなりのダメージを与えるだろう。
>>557(紀)
水鴉
「なんだ……?まだ意識があるみたいだな……!!」
自分の意思に反して、スライムのような自分の体の一部が動き始めていることに対して驚くものの、切り裂かれた水道管から流れる水が異能の支配範囲に入った瞬間に新たに自分の一部として取り込む事で補填している。
だが自分は水と言う流動体であり、固体ではないことから、多少は動きを変えられはするが、その全てを操ろうとすれば異能の性質上、ただ操るのではなく、相手の異能にまで干渉する必要があることから、かなりの負担を強いる事になるだろう。
呼吸を止められ、気道に侵入されつつ、まだ意識が残っている紀に対して、更に多くの水を肺へ流し込もうとし始める。
桜空「ぐっ・・・・・!!!!!」
ゴガッ・・・・・!
(桜空は腕でなんとかガードして素鴉の攻撃を防ぎ切るものの、防いだことで腕にかなりのダメージがいく・・・・・
が、負けじと相手の顔面へと蹴りを入れ、なんとかダメージを与え用と奮闘する・・・・・
素鴉同様、桜空も絶対に負けられない・・・・・
負けたら、先生の意思を否定することになる、そんな気がした・・・・・)
ゴポッ・・・・・
紀「・・・・・」
(今までの人生が、走馬灯のように見え始める・・・・・
考えたみれば、自分はそんなに悪いことをしてきた人間だろうか・・・・・こんな仕打ちをされるほど、他人に酷いことをしてきただろうか・・・・・
生きていく上で自分が有利な状況に立てるよう、常に考えてきただけだ、どんな人間にだって共通することのはずだ・・・・・
ただただ、ここで自分は終わるのかという無念だけが募ってゆく・・・・・)
>>561