狼谷
「ああ……悪いな……」
狼谷は撃ち抜かれた左足を左腕で強く押さえ、出血を少しでも遅らせようとするものの、押さえた手からは大量の血が止めどなく溢れ続けており、狼谷の顔色も青白くなり始めている。
その出血量から察するに、狙撃手はただ動きを封じるために脚を撃ったのでは無く、脚の太い血管がある場所を精確に撃ち抜いて出血を止めることが困難に成るようにしていた事がわかってしまう……
どれだけ殺戮を繰り返せば、どれだけの命をこの手段で奪えば、ここまでの狙撃力を身に付けることが出来るのか……想像もしたくない。
また、剱の放った人間を容易く膾切りに出来る破壊力を有した回転斬擊が眼前にまで迫って来ている……一つの判断ミスが全滅に繋がってしまうだろう……
桜空「おい斬撃女ぁあっ!!!!!てめぇらのボスによーく伝えておけ!!!!!俺が絶対にお前ら腐った正義の鴉共を潰してやるってなぁ!!!!!」
スゥゥッ・・・・・!
(桜空は転送ゲートを出現させると、アジトへと移動する直前に相手へ上記を仲間を傷つけられた怒りを顕にしながら叫ぶ・・・・・
そして、相手の斬撃は当たる直前に転送ゲートが閉じてしまった為、そのまま桜空達を切り刻むことなく空間の一角を切り刻み不発に終わる・・・・・
コンマ一秒でも桜空達の行動が遅れていれば、確実に仕留められたであろう時差だった・・・・・)
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