氷華
「そうかしら?」
自分の変化について気付き、変わったと言う緋染に対して氷華は短く一言で応える。その声や様子、雰囲気は何処か冷たいものの、これまでのように緋染に対して避けたり距離を取って様子を見ていると言うものではなく他者への無関心さから来ている。
その冷たさが氷華の冷静さと冷酷さをいっそう引き出しており、緋染の問いかけに対しても特に興味無さそうに応えている事から、これまで以上に人の心を失ったのだと言うことがわかる…
また、その氷華の持つ無関心は他者だけでなく、自分自身にさえ向けられている。
その姿はまるで正義と言う概念が形を成したかのようにすら見えるが、その正義の中に慈悲も慈愛も無くなってしまっている…
悠矢「・・・・・ま、いいけどさ、一つ言っておくよ、氷華ちゃん・・・・・」
(そう言うと「正義だろうと、悪だろうと、行き過ぎたら自分で自分の首を絞めることになるから、気をつけた方がいいよ」と、言葉を返す・・・・・
今までも氷華は悪人に対して容赦はなかったが、今回は容赦がどうのこうのというよりも、どこまでも行き過ぎた正義、もとい悪にも正義にもなりきれない何かになりつつあるように思える・・・・・)
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