物語の舞台は現代日本
1万人に1人の割合で異能力者が生まれる世界
ある者は正義のために異能を使い
ある者は私欲のために異能を使う
異なる二つの信念が交錯する時、善悪をも超えた死闘が始まる
冷酷なまでに正義のために日夜犯罪者の粛清を繰り返す
日本の極秘特殊機関"八咫烏"と日本中の犯罪者達の死闘を描いた物語
>>2 ハウスルールと募集枠について
>>3 八咫烏について
>>4 キャラシートの作成例
>>5以降から募集開始&本編開始となります!
悠矢「・・・・・ま、いいけどさ、一つ言っておくよ、氷華ちゃん・・・・・」
(そう言うと「正義だろうと、悪だろうと、行き過ぎたら自分で自分の首を絞めることになるから、気をつけた方がいいよ」と、言葉を返す・・・・・
今までも氷華は悪人に対して容赦はなかったが、今回は容赦がどうのこうのというよりも、どこまでも行き過ぎた正義、もとい悪にも正義にもなりきれない何かになりつつあるように思える・・・・・)
>>700
【三羽の鴉】
蟲鴉が切り札として出した巨大蜈蜙によって倒壊した八咫烏のアジトの一角…
そこでは桜空が運良く気絶させた毒鴉と、中川と紀が二人がかりで挑んでも正攻法では倒せなかった水鴉と言う猛者が瓦礫の上に倒れている。
それに対し、十二鴉を二人同時に相手取っても尚、服の乱れ一つもすること無く佇むのは、ルインと呼ばれたあの黒衣に身を包んだ謎の仮面…
水鴉
「ゴホッ……!!?」
水鴉
「(どうなってやがる……毒刀、水圧レーザーと俺達の攻撃はどれもアイツに当たらねぇのに……アイツの攻撃は的確に水化した俺にも当ててくる……コイツの異能は何なんだ……!?)」
毒鴉が振るう毒刀はいずれも空振りし、水鴉の最速最強の攻撃技である水圧レーザーすらもルインに掠る事すらなく難なく受け流された。
まるで攻撃そのものがルインを避けているかのような……見えない壁に受け流されているような……そんな現象を目の当たりにし、二人の鴉が困惑している。
毒鴉
「て…テメェ……!!
何を考えていやがるッ!!テメェと俺らは協定を結んでいる筈だ!こんな事をすれば金鵄が黙っちゃいねぇぞ!!」
ルイン
「クフフッ、察しが悪いね?
今こうして僕が現れているのもや、君達の処刑をしているのも、その金鵄からのお達しがあったからだよ。『不純な正義を粛清せよ』ってね。」
仮面の人物は楽しそうな声色やテンションで話し手はいるものの、彼の身につけた不気味な笑顔の仮面と相まって異様な雰囲気を放っている……
そんな中でルインは毒鴉からの協定を元にした問いかけに対し、金鵄からの指示があった事を教えるとゆっくりと右腕を挙げる……
ルイン
「それじゃ、バイバーイ。」
水鴉
「ふざけ……!!!」
《グチャッ》
ルインが振り上げた腕を下へ降ろすと、水鴉と毒鴉の二人が反応する間も無く、見えない"何か"によって跡形もなく押し潰されて絶命する……
ルインが正義のために行動をしているのか…
それとも悪のために行動しているのかは不明…
更に、ルインがfirstの敵となるか、味方となるのかすらも謎に包まれている。
>>701
氷華
「……私は私の存在理由を果たすだけよ。
それ以上の大義もそれ以下の理由も必要ない。」
氷華は緋染の言葉に対し、自分は自分の正義を貫くだけであると応えると、倉庫に入り、倉庫内の木箱の上に座る……
氷華からは人間らしい感情の起伏も温もりも失われており、まさに動く氷像のように淡々と語る。
霞鴉
「やあ、二人とも。
深刻な話は終わったかい?」
氷華の背後に白い霞が現れると、それが徐々に人の形に変わり、氷華の座る木箱の後ろにあるコンテナの上に片足を立てながら座り、緋染と氷華の二人を見下ろしながら話は終わったのかと問いかける。
悠矢「ん?あぁ、話しなら終わったけど・・・・・いつからいたの?」
(恐らく今の氷華には何を言っても同じように氷のような反応しか返ってこないだろうと思っていたところに、いきなり現れた霧鴉を見ては、どうやら話し合いが深刻だということを知っていたらしいことから、一体いつからいたのかと問いかける・・・・・
自分も神出鬼没だということは自覚しているが、相手の能力を考えると、相手の方がもっとどこにでもいきなり現れることが出来るだろう・・・・・)
>>703
劔鴉
「悪いな、僕もいる。」
霞鴉の座ったコンテナの裏には劔鴉も待機していたのか、氷華の右隣へと移動しながら、自分の存在を話す……
意のままに自身の体を霞に変えることで無敵を誇る霞鴉に加え、その圧倒的なスピードと卓越した剣技を誇る劔鴉の二人…
この二人がいるだけで並みの組織どころか、小国の軍であれば瞬時に殲滅する事も出来るだけの圧倒的な戦力となっているのだが、そこへ更に……
焔鴉
「我らが金鵄の召集とあっちゃ来ねぇ訳にはいかねぇからァ。
テメェも久し振りだなァ、緋染。まだ鴉の名は持ってねぇのか?」
そこにいるだけでも強い熱気を放ち、氷華の周辺を除いて倉庫全体の気温が高くなっていく圧倒的な熱量と実力を持った焔鴉までその姿を見せる。
焔鴉はまさに生きた火山とでも言うべき存在であり、近代装備を備えた巨大な戦艦を一隻まるごと破壊し、中にいた軍人を殲滅したという噂がある程に圧倒的なパワーを持っている……
その破壊力やパワーは霞鴉と劔鴉すらも上回るだろう。
氷華
「緋染、貴方のくれたこのリスト…
これを手に入れた瞬間から次の計画に映すために予め三羽鴉に召集をかけておいた。貴方のお陰で計画から実行に移すことが出来る……」
氷華
「貴方には"二つの意味で"感謝するわ。」
氷華はリストにあった結の写真を思い出しながら、冷たく微笑み、二つの意味で感謝すると言う……
三羽鴉をわざわざ集結させたのは、"日本国を地獄へ変える計画"を実行するための最後の会議を開くためであり、国家崩壊のカウントダウンを開始したと言うことと同意でもある。
悠矢「あれまぁ、これまたお揃いで・・・・・」
(三羽鴉が全員集結していたことに気づかないほどに、自分の感覚は鈍かっただろうかと思いながらも、ここまでの実力者が揃っている中、自分はその中でも一番地位も実力も下っ端だが、怯むことなく三人を見渡す・・・・・
そして、鴉の名をまだ持てていないのかという焔鴉の言葉を聞けば「あぁ、俺は特に、なんとか鴉とか、なんちゃら鴉っていう肩書きにはこだわりないんでね、未来永劫このままで十分だよ」と返す・・・・・
そして、氷華から二つの意味で感謝すると言われれば「二つの意味・・・・・?よくわかんないけど、どういたしまして」と返した・・・・・)
>>705
________
【以下、リスト内結の項目における情報】
佐藤 結 (5)
捕獲動機:死体の再利用
実験台番号:310
死体再利用後個体名
緋染 悠矢
再利用には成功したものの、実力の面などで期待外れとみなされ、野放しにされる
本人には結の頃の記憶は無し
>>706
焔鴉
「ほう、となるとテメェには"表の名"は無いみたいだな。」
八咫烏内で使われている鴉と付く通り名は所謂コードネームのようなものであり、互いに互いの素性を第三者に伝える事を防止するための呼び方であり、敵対組織からの暗殺やプライベートな関係者に危険が迫るのを阻止する目的があるのだが、それを持たないと言うことはつまり、プライベートを持っていないと言うことになる。
その事から焔鴉は両腕を組んでコンテナに寄りかかかりながら緋染に対して表の顔を持ち合わせていないことを見抜き言う。
氷華
「三羽鴉も集まった事だから、これから作戦会議を始めるとしましょうか……」
氷華は三羽鴉全員が集まった事を確認すると、リスト内にあった結と緋染の二人が同一人物である事に対しても微塵の感情の揺らぎも無いままに淡々と作戦会議を行うと宣言し、地獄を編み出すための計画を始める……
これが後に惨劇をもたらし、国家の存亡すらも揺るがす壮絶な死闘の幕開けとなる……
【三羽鴉集結 終了】
【時を同じくして・・・・・】
ザアアアアァァァァァァ・・・・・
桜空「・・・・・」
(徐々に雨が降り出し始める中、アジトの外(敷地内)にて、俯きながら立っていた・・・・・
何故、自分はここまで無力なのか、戦って生きていかなければならない以上、所詮は力なのか・・・・・
「あああぁあぁぁぁぁぁぁあああああああああああああぁぁっ!!!!!」
桜空は、絶望と悲しみの雄叫びを上げる・・・・・)
>>708
朱音
「……こんなとこに居たら風邪をひくよ?
早く中に入りなよ。」
まるで空から叩き付けるようにして雨が降る中、独りで外に出て叫んでいる桜空に対し、藍色の傘を差しながら歩み寄り、建物の中に入るように言う。
狼谷が命を落とした事は聞いている……
自分は救出作戦が開かれた際に沖縄でファーストの部隊と共に別の作戦を行っていたため、駆け付けることが出来ず、慌ててこの場に到着した頃には既に全てが終わってしまっていた……
もし、自分がいれば……いや、仮に自分がいたとしても、八咫烏の最高戦力の一人である劔鴉に勝利するのは非常に困難だっただろう……
桜空「・・・・・ほっといてくれ・・・・・」
(桜空は、かつて家族を失い、孤児院に来たばかりの頃、後に仲良くなる薫先生にすら心を閉ざして反抗的な時期があった時と同じように、相手の言葉にも冷たくただ一言、ほっといてくれとだけ返す・・・・・
リーダーである分、仲間を守れなかった心の傷が深いのだろう・・・・・)
紀「無駄ですよ、もう数時間、ずっとあんな調子です、本人の言う通り、ほっときなさい・・・・・」
(雨が強まる一方で建物の中には入ろうとはしない桜空に対して心配して呼びかける朱音に、ここ数時間ずっとあんな調子で、多分今は何を言っても突き放してくるだろうと忠告をする・・・・・
「今はほっておくのが一番です、それよりも、ココアでも飲んで少し休憩なさい、長旅だったのでしょう?」
沖縄から急いで駆けつけたのだから、少しは休憩したらどうだと誘う)
>>709
>>710
朱音
「…………。」
普段ならここで反発して言い争いになり、力ずくでも建物内に引き戻そうとするのだが、今回ばかりは仲間を大勢失った事で精神的にも追い込まれてしまっている事を知っているため、強く出ることが出来ない…
紀の言うように、此処でどんな言葉をかけようと、気休めにすらならないと悟り、アジト内へと帰って行く…
紀「・・・・・まだまだ子供のクセして、背負うものが大きすぎるからこうなるんです、哀れな・・・・・」
(そう言いながら、ココアを飲む・・・・・
心配する朱音とは対照的に、紀は一見冷たいようにも見えるが、紀の性格上、今の桜空に対する冷静な接し方であるようにも見える・・・・・
「あれで、少しは強くなれるのであれば、一応はリーダーとして認めてはやりますがね・・・・・」
と、一言呟いた・・・・・)
【朱音が駆けつける少し前・・・・・】
ボス「今回の件は、あまりにも代償が大きすぎた・・・・・これで、多分八咫烏側も我々への敵対心がより一層強まったと思う、悪いが、あの子を・・・・・桜空のサポートを、任せてもいいかい?」
(朱音がファーストのアジトへと向かう少し前に、ボスが朱音に桜空のサポートについてもらいたいと頼み込む・・・・・
まだ15歳という若さで一つの組織のリーダーに任命してしまった罪悪感と、今回の件ですら指示を出したり駆けつけることすらもできなかった後ろめたさからだろうか・・・・・)
>>711
>>712
朱音
「え!?アタシが?
アイツとは度々意見がぶつかったりするから喧嘩ばっかになるかもしれないけど、それでもいいの?」
唐突に現れた上位組織のボスが直々に自分に桜空のサポートを申し出て来ると、驚き、回りを見渡して自分以外に誰もいないとわかると、少し顔をしかめながら自分を指差して言う。
確かに自分はファーストにおける幹部としての立場を持ってはいるものの、得体の知れない組織と付き合っていたり、あまりにも向こう見ずな行動を取る桜空と意見が衝突した事があるのは一度や二度じゃない。
今回の原因である桜空が霞鴉に連れて行かれたというのも、元を辿ればその組織とつるんでいたからであり、その事を知った朱音は桜空に文句を言う気満々だった。
ボス「あぁ、寧ろ君が一番サポート役には適していると思ったからこそ、こうやって頼んでいるんだ・・・・・」
(会う度に何かと口喧嘩をしている二人だが、ボスは寧ろそんな口喧嘩の相手である朱音こそ、桜空のサポート役には一番適していると述べる・・・・・
そして、今回の一件の元凶にもなったことについては「今は桜空にはそのことは絶対に言わないように、その組織についてはまた日を改めて説明させてもらうよ」と伝えると、その場から去ってゆく・・・・・)
>>713
>>714
朱音
「わかったよ。アンタがそこまで言うのなら手伝うわ。」
普通の組織ならば部下なり通信なりで任命したりするところ、朱音はボスからの直々の依頼と言うこともあり、無下には断ることができず桜空のサポートをする事を受け入れる。
ボス「感謝するよ、ありがとう・・・・・それと、口喧嘩も程々にな・・・・・」
バタン!
ブロロロロロロロロ・・・・・
(車に乗って走り去る寸前に、念の為に口喧嘩も程々にと忠告をする・・・・・
喧嘩するほど仲がいい、とは言うものの、別の組織絡みともなれば、もし口喧嘩に発展した場合いつも以上に辛辣な罵倒対決が始まってしまうと思ったが、同時に今の桜空にはそれすらする気力もないだろうとも考える・・・・・)
【そして、今現在・・・・・_____】
紀「うちのボスも何考えてるかわからない人ですね、あなた、あのガキとはしょっちゅう喧嘩しているでしょう?」
(まだ15歳という若さの桜空を一つの組織のリーダーにしたり、そのリーダーと仲の悪い人物をサポート役に任命したりと、相変わらず何を考えているのかがわからないとポツリと呟けば「・・・・・にしても、いつまであそこであぁやってしょげている気ですかねぇ」と、桜空を呆れたように見て)
>>715
>>716
朱音
「ああ言う時は外野は心の整理がつくまで放っておいておくのが一番よ。」
朱音もかつて警官時代に救えなかった命を前にした時に今の桜空と同じように一人で涙を流していた事があったため、紀と違い、彼の心情についてもわかっているため、今はこのまま彼が落ち着くまで一人にしておいてあげようと言う。
>>717
あれから自身を見直し、肉体と能力共に鍛え上げた。そしてたまにはメンバーに顔見せしようとアジトを訪れる。
「よう、美人が二人もいて目の保養だぜぇ」
神経を磨り減らしそうな緊張感を、程よく解(ほぐ)す声色で話し掛けた。
「ってか、九条の姐さんじゃないの。久しぶり〜」
二人の内、より大人びた方を見てやや驚く。彼女は狼谷と同じくFirst幹部の九条朱音だ。実力は折り紙付きである。
「姐さんが来るなんて珍しい。一体何があったのさ?」
純粋に以前の一件関連だろうか。欠員の補充ついでに桜空のメンタルケアと見るのが筋か。
【めっちゃ期間開けてすみません! どのタイミングで来ようか全然わからなかったもので……】
>>718
朱音
「おお!アンタか!少しぶりだなぁ!アンタは元気そうでよかったよ!
アタシが沖縄に行く前以来か?マイペースなのも変わってないな!」
朱音は紀との話しをしつつ、まだ外にいるであろう桜空の方を見て心配していた中、ふと聞き覚えのある声が聞こえた事でそちらへ振り返る。
自分が沖縄支部へ移動する前に知り合った中川であり、彼の「嬉しい事を言ってくれるね!」と、張り詰めた緊張感を取り払うように言葉をかけた彼の言葉に便乗するように陽気に応える。
朱音
「アタシの地位が上がりそうだな〜って事だよ。
うちのリーダーを支えてやれって言われてね。」
朱音は桜空のサポートをしてやって欲しいと言われた事を素直に話す。
狼谷が中川に桜空を支えてやって欲しいと言う言葉と合わさることで、桜空一人では無く、組織にいる者達で桜空を支えて行くと言う事になっている。
八咫烏を始め、大抵の組織では一人の指導者が権力の中枢を担い、構成員達は与えられる仕事をこなすだけなのだが、Firstの場合は、上下の隔たりを取り払う事になる。
一歩間違えれば内部分裂を引き起こす危うさを持っており、朱音と桜空は意見の衝突による喧騒が多いのだが、この判断が後に吉と出るか凶と出るのかはわからない……
【大丈夫ですよ!
自由に好きなタイミングで動いても大丈夫ですよ!
キャラに空きのある方が絡んでくれると思いますので!】
紀「普段喧嘩ばっかりしている割には、随分あのガキのことをわかっているような言い分ですね?」
(普段、顔を合わせればちょっとしたことで衝突しているような桜空と朱音だが、朱音が今の桜空の状況を見て、的確な判断をすれば普段喧嘩ばかりしている割には、よく相手のことを思いやっているように見えると呟く・・・・・
いや、寧ろ喧嘩ばかりしている者同士ほど、相手のことをよく理解している、ということなのだろうか・・・・・)
>>717
紀「あら、随分鍛え上げたようですね?」
(紀は、やってきた中川を見るやいなや、あの一件以降中川がかなりトレーニングに励んでいたということを見破る・・・・・
そして「言っておきますが、美人と褒めても何も出ませんからね?」と、美人と言われても特に喜んだり恥ずかしがったりする様子もなく、真顔で答える)
>>718
>>720
朱音
「ん?何を言っているんだ?
互いの事がわかっていないと喧嘩なんて出来ないじゃないか?」
朱音は桜空と意見の衝突をする際にも、相手の判断が気にくわないからと言ったように理不尽な感情によって反発するのではなく、自分には自分の考えがあり、それとは異なる判断をする相手であるからこそ、
意見の衝突を行っているため、善くも悪くも桜空についてはそれなりに理解しているつもりであるため、互いの事をわかっているからこそ、意見の対立があった際には気兼ねもなく喧嘩する事が出来るのだと応える。
紀「互いのことが分かっていたら、喧嘩に発展する前に対処するのでは?」
(互いのことが分かっている場合に起きる喧嘩は、互いのことが分かっているからこそ気兼ねなく喧嘩ができると言う相手に対して、互いのことを理解しているのならば喧嘩に発展する前に対処するのではないかと述べる・・・・・
が、紀自身は特に誰かと喧嘩をするということがない、というか、基本的に挑発的な態度であることが多いが紀に対して組織内に喧嘩腰でかかれる相手がいないので、喧嘩をちゃんとしたことすらあまりないのかもしれない・・・・・
「貴方と桜空、まるで姉弟のようですね」と呟く)
>>721
>>722
朱音
「あっはっはっ!確かにそうかもしれないねぇ……
だけど、理解している事と賛同することは別だ、相手の考えを知っているからこそ、何をしようとしているのかわかる。
詳しいところまでわかってしまうからこそ、賛成する事が出来なくなる事だってある……」
一般的に互いについて理解があれば喧嘩をする前に対処できる筈だと言う紀の的を射た発言を聞くと明るく笑い、その通りだと応えるものの、同時に相手についてわかっているからこそ、その真意に気付き、それに気付いてしまうからこそ、反対する事もあるのだとも言う。
朱音
「姉妹…か。
そう言えば、リーダーには生き別れの姉がいたんだっけ?
リーダーはあまり過去について話そうとしないからハッキリとした事はわからなかったけど。」
ふと、自分と桜空が姉弟のようだと言われると、髪の色も瞳の色も、性格も違うものの、たしかに相手を分かろうとしていたり、喧嘩をしている事から姉弟のようだと自覚する。
だが、桜空には生き別れの姉がいたと言うことを聞いたことがある…
過去について聞こうとしても桜空が語ることは無く、ずっと謎に包まれていたため、その詳細については朱音も知らない。
朱音
「ま、アイツの姉だ。
きっと何処かで元気にやってるだろうけどな!」
紀「いつもただ単に喧嘩しているだけだろうとは思っていましたが、そこまで考えていた上での喧嘩だった、と・・・・・まぁ、桜空に関しては、ただの意地で反抗しているようにしか見えませんが・・・・・」
(二人のいつもの喧嘩は、ただただ気に入らないから喧嘩していたというわけではないことに少し驚くものの、桜空に関しては恐らく朱音ほど考えているわけではなく、年相応に単なる意地っ張りなだけだろうと話す・・・・・
続けて、桜空の姉について朱音が言及すると「少し前にボスから聞いたことがありますが、死別の可能性もある、とか・・・・・桜空自身、姉の生死についてはよくわからないと聞いたこともありますが・・・・・」と言う)
>>723
>>724
朱音
「ま、それなりに長いこと一緒に居たからね。
だいたいの事はわかるよ。」
桜空の過去についてはあまり知らないものの、それを除いた現在の事であれば、それなりに長いことfirstに属していた事もあってわかるようになった。
紀から桜空の姉が死別している可能性もあると聞くと、「まだまだ若いのに嫌な事ばかりに直面しているのか…」と小さく呟き、桜空を蝕む宿命と業について考えを巡らせる。
自分が出来ることはそう多くはないだろう。
だが、このまま精神に負荷がかかるのを少しでも軽減したいとも考えている……とは言っても、おそらく喧嘩をする事は無くならないだろう……
紀「でもまぁ、裏社会という世界で生きていく以上、嫌なことの一つ二つで挫折していたら、こっちとしてもたまったもんじゃありませんが・・・・・」
(このメンバーの中では一番ファーストの一員として長い紀からすれば、この程度のことで挫折していたら、命がいくつあっても足りない、しかもそれが肝心のリーダーならば、組織の一員としてはたまったものではないと呟く・・・・・
桜空よりも辛い人生を歩んでいる人間なんて山ほどいる、裏社会で生きてゆく以上この程度で弱音を吐いていたらキリがない・・・・・)
桜空「・・・・・」
バタン・・・・・
(例の一件で精神的に追い詰められた他に、長い間豪雨に打たれて身体的にも限界を迎えたのか、桜空はそのまま地面に倒れる・・・・・
桜空自身、自分の限界にすら気づけずに倒れるほど、追い詰められていたのだろう・・・・・)
>>725
>>726
朱音
「あーあ、無理をしたから倒れた…
それじゃ、アタシらの大将を運んで来るよ。」
先ほどからずっと視線だけを窓の外にいる桜空に向けていたところ、土砂降りの中、地面が泥のようになってしまっているところへ意識を失った桜空が倒れ込むと、
桜空が倒れた事にいち早く気付いた朱音が傘に付いた雫を少し払い、再び外に繋がる扉を開いて桜空をアジト内に運ぶために向かおうとする。
>>727
「おっと姐さん、あんたの手を煩わせるまでもないぜ」
一連の様子を見ていた隆次が彼女の後ろに立つ。
そしてそこから動かずに鎖を形成、桜空の体へ器用に巻き付けると、そのまま中へと引き寄せた。
「洗濯物とか増やすのも、面倒だろ?」
びしょ濡れになって服の一部が透けるというのも乙なものだが、そういうのはごく個人的な範囲に留めておくべきだ。
>>728
朱音
「相変わらず便利な異能だなぁ。
アタシの異能はこういう時には役に立たないからね…
助かったよ!」
中川が鎖を生成し、開かれた扉の先で倒れた桜空を引き込むのを見ると、扉を閉めながら彼の利便性に富んだ異能を見て感心する。
自分が持つ異能は基本的に攻撃や索敵には有利だが、それ以外の日常生活ではほぼ使えない。
こう言った場面でも直ぐに対応できる彼の能力に素直に称賛送る。
>>729
「へへっ、誉めても何も出ないぜ姐さん」
確かに自身の能力とその練度に対しては、自負のようなものを持っている。しかしいざ面と向かって称賛されると中々にむず痒い。
「それで、今後はどうします? すぐにでも八咫烏へ攻め込みますか?」
声色を落とし、First構成員としての顔つきになる。
リーダーがこの有り様なので録な方針は定まっていないだろうが、朱音の頭には何らかのプランがあるかもしれないと踏んだ。
>>730
朱音
「勿論、奴らにも目に物を見せてやるつもりさ。」
朱音は狼谷のような作戦立案能力は無く、八咫烏内の情報を持っている構成員ももう居ない……つまり、これまで異常に八咫烏の動向を把握することが困難になってしまった事を意味している……
朱音は自身の異能によって腕力を強化し、意識を失った桜空を抱えながら応える。
朱音
「とは言っても……奴ら八咫烏がどう動くのかは読めないから、先手を打つことも出来ないし、私はあまり頭を使った事は苦手だから、その辺りは任せようかと思っている。」
救出作戦の舞台となった拠点は既に破棄されており、広大な地下空間もろとも半日で取り潰され、その足取りすら不明となってしまった。
八咫烏は少数精鋭と言うことであり、大規模な組織では無く、系列組織も無い。各メンバーは元々各自の判断で行動していたため、その行動を読むことは困難だ。
そもそも、今回のように組織的に行動したり戦力が集中する事自体が異常だと言える……八咫烏の中でも何かしらの変化が起きているのだろうか…?
桜空「・・・・・八咫烏との戦いは、数日後だ・・・・・あっちから出向いてくれる、それを待つ・・・・・」
(倒れてから意識もあるのかないのかもわからず、長い間豪雨に体を打たれていたことで冷たくなっていた桜空が、二人の会話を聞き、八咫烏との戦いは数日後、しかもあっちから出向いてくれるということを呟く・・・・・
目を開いた桜空の目は、今までの桜空とは違う、何かが宿ったような目だった・・・・・)
>>朱音、中川
>>732
朱音
「数日後だって?
これまた随分と唐突に言うけど、何か確証があるの?」
雨に打たれ過ぎたことで体力が無くなり、朦朧とする意識の中で何かの幻を見たのかと思い、桜空を抱えながらも、何か確証があるのかと問いかける。
もし、何かしらの情報を掴んでいるのであれば、それを元に作戦を練ることで対策を講じれるのだが……今の桜空はとても正常な状態であるようには見えない。
桜空「あぁ・・・・・あるさ、言っておくが、俺は別におかしくなったわけじゃねぇからな・・・・・?」
(朱音の目を見て、確証はあると、自分はおかしくなってこんなことを言っているわけではないと告げる・・・・・
付き合いがそこそこ長いと、相手が思ったことを全部言わずとも、大体のことはわかってしまう・・・・・
雨の中泣いていたのか、桜空の目は、少し赤くなっていた・・・・・)
>>733
>>734
朱音
「……それなら、私達はどう動く?
全戦力の三分の1が海外にいるけど、国内にいるfirstのメンバー全員を集めて戦力を強化しておくか?」
桜空が意識を取り戻した事で彼を床に降ろしながら、彼の言う数日以内の八咫烏の攻勢に対して自分達はどう動くべきかと問いかける。
数日だけでは海外で作戦を展開している構成員の召集には間に合わないものの、日本国内にいるfirstのメンバーであればそのほぼ全員を集めることが出来るため、それらを集めることで有事の際にも直ぐに動ける状態を確保しておくかと聞く。
>>734
「一任……ですか、こりゃ責任重大だなぁ」
とはいえ、こうなることは半ば予想できていた。
とすれば、地道な情報収集から始めようかと考えたがーー
「おや? お目覚めですかい、大将」
どうやら桜空が意識を取り戻し始めたようだ。
「ふむ、数日後ね……」
捕まっている間に情報を取ってきたのか、嘘や出任せではない声色に思える。
「OK、了解した」
他ならぬリーダーの言葉だ。軽々しく無碍には出来ない。
そして、あちらから来るというのなら好都合。わざわざ探し出す手間が省ける。
「ところで大将、能力の方はもう大丈夫ですかい? 問題なかったとしても、また対策される事態は十分あり得ますぜ」
Firstのリーダーだけあって彼の能力は強烈だ。これがあるとないとではパワーバランスや戦術の組み立てに大きく関わってくる。
そして、Firstのリーダーだけあって狙われやすい。なにしろ特定の施設内で彼の能力が使えないという事態が発生したのだ。これを応用した技術でこちら側の能力を封じてくる可能性は高い。
桜空「・・・・・今回の戦いは、俺一人で出向く・・・・・」
(今度の戦いでどう動くかという指示を待っている二人に、今回の戦いは自分だけで出向くと呟く・・・・・
「組織のメンバーを招集して強化することもない・・・・・能力の方は、なんとか上げることに成功したし、対策をされる前にこちらから動く・・・・・お前達には悪いが、ここで大人しくしてろ・・・・・」
桜空は、あの雨に打たれながら精神統一でもしていたのか、それとも悲しみから底知れぬ力の覚醒でもしたのかは定かではないが、ハッキリと本人の口から能力が上がったと言う・・・・・
しかも、他のメンバーを招集する必要もないとまで言い張る・・・・・)
>>735、736
>>736
朱音
「何を言って……たった一人でどうにかなるような奴らじゃないって事は知ってるだろ?」
精神統一や一朝一夕の鍛練でどうにかなるものじゃない。
多少の力の差はあれど、あの難敵、蟲鴉や水鴉クラスの十二鴉が少なくともあと十羽(正確にはルインに粛清されたり、ファーストとの戦いを避けた素鴉を除いて七羽)いる上
たった一人で五十人以上いたファーストの攻撃部隊を一方的に壊滅した剱鴉に、一度桜空を圧倒した霞鴉に加え、その剱鴉と霞鴉と同格の存在がもう一人存在している上に、その三羽鴉をも超える金鵄もいる……
ファーストの全戦力をぶつけて漸く互角か、少し劣勢ぐらいの戦力差であるにも関わらず、それにたった独りで挑むなど無謀としか言いようがない。
朱音は少し呆れながら応える。
>>737
「……!?」
耳を疑った。
何故この状況でそんな言葉が出てくるのか。
実は雨風でとっくに頭がやられていたのではと考えてしまう。
当然ながら九条も異を唱える。しかし、
しかし……
「待ちな姐さん、ここは大将の言う通りにしてみましょうや」
桜空の可能性に、賭けた。
こういう事を言い出した彼が止まらないのはもう十分身に染みている。
それに、上手くは言えないが今の彼にはただならぬ『何か』がある。
それならば下手に反対せず、背中を押してやるのが上策だと判断した。
「但し、俺達はバックアップが出来る立ち回りをさせて貰いますよ。いいですね、大将?」
ここは譲れない。Firstの一人として、狼谷から託された者として役目は全うしなければならないのだ。
桜空「あぁ、わかってるさ・・・・・俺だって馬鹿じゃない、お前達からすれば無謀にも程があるってことだろ?」
(朱音の反論に、いつもなら少し怒り気味で反論するのだが、今の桜空は朱音の反論にも落ち着いた様子で対応している・・・・・
いつも喧嘩に発展するのは、お互い相手の意見が間違っている、もしくは気に入らないという感情からであり、今喧嘩になっていないのは桜空自身も無謀なことだとわかってのことなのだろう・・・・・)
>>738
桜空「例えば、それはどんなことだ・・・・・?」
(バックアップが出来る立ち回り、と聞けば、それは例えばどんなことなのかと問いかける・・・・・
今の桜空は、できるだけ仲間達を巻き込みたくないという強い意志が、戦いから仲間達を遠ざけ、自分だけでも八咫烏という立ちはだかる巨大な壁に挑む気でいる・・・・・
もし、中川達にも危険が及ぶようなことであれば、この時点でストップをかけておかなければいけないと考えている・・・・・)
>>739
>>739-740
朱音
「とても正気だとは思えないけど………
アンタらがそこまで言うのならアタシもアンタらの考えに乗るよ!」
桜空一人が言うのであれば、とても賛成し難い事なのだが、そこへ、この中では比較的冷静に状況分析の出来る中川まで賛成した事から、二人の中には何かしらの考えがあると思い賛成する。
自分は昔から一人で敵陣に突っ込んで成果を上げ続けて来た、叩き上げの存在であり、戦術や戦略を組み立てると言った器用な事は出来ない。
他力本願のような形になってしまっているが、二人の実力と秘策に賭けることを決めたのには、この無謀とも言える戦いの中でも諦めない、自信を感じたからだ。
>>740
桜空は朱音の反論に対しても感情的にならず、平静に対応してみせた。あの時とはまるで別人である。
「そうですね、今回の場合は集団戦になるから、索敵が主になるでしょう。あとは、大将が万一倒された時、大将を運んでの撤退ですね」
勝率は問題ではない、ここで重要なのは『桜空本人以外が想定し得る、最悪の事態』に対処する為の保険の存在だ。
そして、自分の能力ならばこのどちらもこなせる。
「無論、大将が奴らを全員倒し、俺の考えが杞憂に終わればそれが理想的です」
だが未来はどうなるかわからない、故に事前に打てる手は打っておきたいのだ。
桜空「・・・・・前もって、これをお前達に渡しておこう」
スッ・・・・・
(今回ばかりは相手が悪すぎることから猛反対されるかと思っていたものの、腕を組み、真剣な表情でただ話を聞いている紀を除き、二人共賛同してくれたこのタイミングで、桜空はズボンのポケットから、何かを取り出す・・・・・
それは茶封筒であり、茶封筒には『遺書』と書いてあった・・・・・)
>>741、742
>>743
朱音
「おお!何か金一封か何か入っているのか?
………って、んんんん!!?」
二人の意見に賛同し、その開始を待っている最中、桜空が茶封筒を差し出して来たため、それを意気揚々と受け取る。
餞別か作戦の指示書を渡してくるのかと思いきや、封筒に書かれた"遺書"の二文字が目に飛び込んで来ると、あまり物事を深く考えない朱音であったものの、流石にこれには驚く。
朱音
「おいおいおいおい、こんな縁起の悪いものを渡されても士気が下がるだけなんだけど?死ぬ気満々じゃないか。」
桜空「死ぬ気満々だと?ふざけるな!元より死ぬ気なんてサラサラねぇよ!!!!!」
(狼谷を亡くしたばかりで死ぬというワードにかなり敏感になっているらしく、いつもとは違って落ち着いた様子だった桜空は、それまでとは打って変わって急に怒鳴り声を上げる・・・・・
「俺はいつだってお前達の身を案じながら自分だって生き延びることを考えて今までリーダーのしてやってきたんだ!だが今回の戦いでもしかしたら命を落とすかもしれない、そんな気持ちが生まれるほどに今回は相手が悪い!だからもしもの時の為にこうやって言い残しておくべきことを書いたんだ!これは保険だ!もともと死ぬ気なんかない!!!!!」)
>>744
>>745
「……わかりました。貴方の覚悟と配慮、確かに聞きました」
桜空の悲痛な叫びを聞き、自身も改めて気を張り直す。
狼谷の旦那に報いる為にも、つまらない失敗はできない。
「ああ、それと……」
「言葉一つでいちいちヒスってるようじゃ、返り討ちで犬死にだ。小僧」
血も凍るような声色で釘を刺す。
「……けど、そうならないように俺達も死力を尽くしますよ。まあ大船に乗ったつもりでいて下さいな」
しかしまたすぐにいつもの軽薄男に戻り、人懐っこい笑顔で締めた。
「姐さんもそれでいいですね? なーに心配はいらないっすよ、終わったら俺が一杯くらい奢ります」
朱音の不安を拭うように明るい口調で説得を試みる。また、封筒の中身が金銭でなかったことに対するフォローも入れておく。
>>745
朱音
「黙って聞いていれば……!!
死ぬ気の無い奴が遺書なんか書くか!!
もしかしたらも、万が一も無い!必ず生きて帰る!それだけ言えば充分だろうが!!」
自分が二人の考えに乗ったのは、二人が必ず果たすという覚悟と自信を感じられたからだ。にも関わらず、弱気や弱音を聞いて、その覚悟や決意が揺らぎうるものであるとわかると、怒りを露にしていく。
>>746
朱音
「……アタシはもう知らん。」
桜空の渡そうとした遺書を受け取らずに近くのテーブルの上に置くと、両腕を組んで壁に背を預け、自分はもう止めもしないと言う。
先程までの自分は必ず生きて帰る、必ず勝利する。
始めから勝率の無い戦いだ、虚飾とは言えど、それを掲げられるだけの勇気と意思を感じたから警察官と言う立場と肩書きを捨ててまでこの組織に来た。
政府の上層部にいる者達は己の利権と利益のために腐敗を容認し、自らの意思や信念も無く、己の手が届く範囲しか干渉しなかった……
そんな連中では決して持ち得ない強い信念を感じており、それがあれば世界をも変えられると信じていたからだ……
だが、先程の桜空の言動は明らかにそれを反語にするものだった。
自分は叶わないかもしれない、力及ばず命尽きるかもしれない、自分が命を落としたら……と言ったように臆病風に吹かれたような、半ば自暴自棄なものであったからだ。
だからこそ、朱音は失望と落胆を隠すことなくそう応える……
桜空「・・・・・あぁ、任せた・・・・・」
(今まで聞いたことのない中川の声色に少し驚くも、すぐさま任せたと一言だけ呟く・・・・・
ヒスっている、か・・・・・と内心思うも、かなり精神的に追い詰められている今の自分は、この言葉には流石に逆らえなかった、これは紛れもなく事実でしかないからだ・・・・・)
>>746
桜空「お前に何がわかる!政府の闇がどうたらこうたらなんてちょっと知ったくらいでこの組織に入ったような奴がわかったようなことを言うな・・・・・!!!!!」
(桜空自身、この組織のリーダーになってからは、メンバーのことをいつでも思って生きてきた・・・・・
メンバーの過去も全て受け入れ、前に進んできた・・・・・
だが、今この瞬間、ついカッとなって突発的に心にもないことを朱音に言ってしまう・・・・・)
>>747
>>749
朱音
「………!?
………ああ、そうかよ……それならもうアンタの好きにしな……」
しかし、自分がファーストに入る際のきっかけや理由については話していなかったにも関わらず、それを知っていた事に驚きながらも、失望した朱音は足早にこの場を立ち去って行く……
普段ならばここでヒートアップして大論争になったりするのだが、それをせずに立ち去る事からもう話す余地も無いと判断したのだろう……
八咫烏との決戦の前に朱音は姿を消してしまう……
桜空「・・・・・」
(朱音が立ち去った後、言い過ぎてしまったと立ち尽くしながら後悔する・・・・・
だが、一人でも今回の戦いに関わる人間が減ったことは、逆によかったのかもしれない・・・・・
内心、自分はクズだと思うが、これが最善の策とも思えてしまう自分がいる・・・・・)
>>750
>>751
「あっちゃー……」
舌の根も乾かぬ内にこの体たらく。
流石の隆次もこれには呆れ果てた。
狼谷の遺志を放り投げてしまいたくなる。
(いや……ここ最近で立て続けに状況変化の連続だからな。完全に冷静さを保てってのも酷な話か)
何とか自分を押さえ思い留まる。そうだ、ここで自分が冷静にならなくてどうする。今朱音が去ってしまった以上桜空のブレーキ役は自分しかいないのだ。
「行っちまったもんは仕方ないですぜ大将。俺がやれるだけやってみますよ」
そして、一歩引いた視点で見れば桜空は見事彼女を危険な前線から遠ざけた。
もしかすると無意識の内に、仲間を死地に行かせない為の最適解を選んでいたのかもしれない。
桜空「・・・・・あぁ・・・・・」
(桜空は一言だけ上記を呟くと、そのまま自室へと戻ってゆく・・・・・
かなり追い込まれているが、戦闘へ向けての最終準備をしなければならない、だからこそ、ここでただただ落ち込んでいるわけにはいかない、桜空は今するべきことをしなければならない・・・・・
歪み切った正義に立向かう為に・・・・・)
>>752
【First神奈川第二支部】
桜空の救出作戦が決行され、狼谷が死亡した二日後…
桜空が捕らえられていた八咫烏の拠点への進行準備をしていたファーストの拠点を含めた、神奈川県内に点在していたファーストのアジトが次々と壊滅されていく……
襲撃されたアジトにいた少数の生き残り達は口々に
"何処から攻撃されたのかわからない"
"霧が出たと思ったら音も気配もなく仲間が次々とやられた"
"霧の中に入った奴は誰も助からない"
と言ったように、まるで命を奪う化学兵器が使われたかのように、生き残った者達はその謎の霧に怯えてしまっていた……
壊れ、捻れ、歪んだ正義を掲げる氷華が率いる八咫烏による日本全土を地獄へと変える序章はこの時点から始まる……
紀「まさかここまでやるとは、完全にしてやられましたね・・・・・」
(八咫烏による本格的な悪人粛清が始まったことを知り、紀は別の班がいるアジトへと赴いたものの、そこの光景は悲惨の一言に尽きるものだった・・・・・
よほどの悪人でもここまではしないだろうと言えるほどに、上半身や頭部を失っている死体や、原型を留めていない死体など、地獄絵図が広がっている・・・・・)
>>754
>>755
???
『君はFirstの主要戦闘員の一人だね……?』
紀が現場に訪れ、その惨劇を目の当たりにしたところで、周囲には薄い靄のようなものが広まり始め、視界を奪い始める……
そして、周囲の靄の中から小さく反響するように中性的な声が聞こえ、紀が主要戦闘員の一人かと問いかける。
紀「・・・っ・・・・・!・・・・・えぇ、いかにも、私はファーストの者ですが・・・・・」
(戦闘において大事なのは、取り乱さずに冷静さを保つこと・・・・・
冷静でいれば負けることはない、ということはないが、こういう時こそ落ち着いて対処せねばならない・・・・・
見たところ、相手の能力はさしずめ霧に化ける、といったところだろうか・・・・・)
>>756
>>757
???
『フフッ、やっぱりか……
丁度いい、剱鴉が逃してしまった君を"ボク達"が代わりに葬るとしよう。』
《バキバキバキバキバキ…》
相手が霧に化ける異能であると予測した紀の考えを裏切るように紀の背後から、尖端が鋭利な刃物のようになっている紫色の無数の枝が伸び、紀を背後から不意打ちをしようと迫って来る……
紀「不意打ち、ですか・・・・・使い古されたやり方ですね・・・・・」
グォッ・・・・・!
(裏社会の人間である以上、紀は不意打ち程度であれば仕掛けられることに慣れているのか、咄嗟にジャンプして身体能力の高さを活かした回避をする・・・・・
「貴方の言い方からして、一人ではないですよね・・・・・?出てきたらどうです?」)
>>758
>>759
《ヒュオッ》
紀が避けた先を狙い済ましていたかのように鋭利な刃物のような羽根が複数同時に紀が着地したタイミングを計って撃ち出される……
周囲は靄に包まれているため、次に何処からどのような攻撃が飛んでくるのかはわからない上に、どれだけの敵がこの霞の中に潜んでいるのかはわからない……
生存したファーストのメンバーが霧を異常に恐れていたのは、この得体の知れない攻撃によるものなのだろう。
紀「くっ・・・・・!」
バッ・・・・・!
(紀は能力で地面の瓦礫を浮遊させ、羽の猛攻をなんとか防ぐ・・・・・
辺りが霧に包まれていることが、どこから攻撃を仕掛けてくるのかわからないという攻撃を仕掛けられる側としてはかなり厄介な状況を生み出している・・・・・)
>>760
>>761
《グオッ》
横を薙ぎ払うようにして茨のように無数の棘が生え、複数の枝や蔦が絡まり、大木のようになった巨大な枝が紀に向けて迫って来る。
今度は瓦礫による防御は期待できない上に、地を払うようにして振るわれた一撃である事から飛び上がる他に回避する手段は無い……
先程の槍のような枝の異能の作用によるものであるが、何処にも術者の姿が見えず、何処からどのようにして攻撃しているのかはまるで見えない…
息をもつかせぬ猛攻。
霧は濃さを増しており刻一刻と周囲の状況は悪化を辿っている。
ヒュオッ・・・・・!
紀「姿も見せずにただただ攻撃とは、とんだ卑怯者ですね・・・・・」
(紀はファーストのメンバー、当然世間で言うところの悪人だ・・・・・
だが、悪人にも悪人なりの美学がある、姿も見せずに次から次へと獲物を仕留める為だけにただただ攻撃を繰り出してくる者は、紀の美学に反する卑怯者として認定される・・・・・)
>>762
>>763
霞鴉
『フフッ、相手の手の内がわからないのに素直に攻撃を仕掛ける訳がないだろう?』
霞鴉は冷静沈着な性格をしている。
常に相手の手の内を分析し、情報を集め、相手の異能について把握した上で、最も相手にとって効果の高い技や攻撃だけを繰り返す……
紀と直接戦った蟲鴉も水鴉も死亡した今、実戦以外で情報収集する方法が無い…だからこそ、部下達に攻撃をさせているのだろう。
霞鴉は油断も慢心もしない。
最適解のみを求め、情報を重視する
こうして戦ってきたからこそ、苛烈な戦場において怪我の一つもせずに勝ち続け"無敵の名"を得るに至った…
大鴉
「ハッハッハァーッ!!」
《ヒュオッ》
眼前から迫る樹木の鞭を飛び上がって回避した紀に向かって両腕が翼になり、足が鋭利な鉤爪の生えた鳥類のような脚となった逆立った黒髪の男が飛びかかる。
空中では動きが大きく制限され、その動きは単調なものになってしまう。
それを突くようにこのタイミングで攻撃を仕掛けて来たのだろう。
彼の脚の鉤爪はナイフのようであり、捕まってしまえば動きを封じられるだけでなく、大量の出血を強いられてしまうだろう……
紀「っ!!!!!」
グッ・・・・・!
(紀は能力で相手の動きを止めると、そのまま地面へと猛スピードで落下させる・・・・・
こうなったら、自分の体への負荷なんていちいち考えずに、制限時間ギリギリまで能力を行使して戦い尽くすしか道は残されていない・・・・・)
>>764
>>765
《ギラッ》
紀が地面に落とした黒髪有翼の男は周囲を包む濃霧の中へと消え、自然落下し始めた紀の足元には無数の棘が生えた茨によって床の一部が覆われ、即席の棘床を形成している……
もし、このまま落下してしまえば、両足に棘が突き刺さり、機動力を封じられてしまう事になる。
更に、機動力を削がれた状態では霧に潜む者達からの攻撃を防ぐ事は出来なくなってしまうだろう
視界の悪さと人数の優位性を利用した巧みな戦術構築能力、そしてそれらさえも単純な戦力としてだけでなく、情報分析として用いる機転、これこそが霞鴉が三羽鴉たる由縁
紀「っ・・・・・!!!!!」
グッ・・・・・!
《危なかった・・・・・一秒でも反応が遅れていたら、全身に突き刺さっていた・・・・・》
(地面に落ちる寸前、自分自身を浮遊させてなんとか一時的に難を逃れる・・・・・
流石は八咫烏のメンバーの上位に位置する三羽鴉、といったところだろうか・・・・・
だが、こちらもやられているばかりではない・・・・・)
紀「そろそろ、こちらも反撃させていただくとしましょうか・・・・・」
>>766
>>767
霞鴉
『フフッ、少しは抵抗してくれないと面白くないからね?
さあ……君の足掻きを見せておくれ。』
濃霧の中に潜む霞鴉はそう言葉を告げる……
すると、その次の瞬間、紀の視界の端で小さく何かが光ると、その光に向けるようにして無数の羽根弾と鋭利な槍のような枝が紀の左右から迫る。
この濃霧の中では、敵味方の区別がつかず、同士討ちを起こしてしまいそうな状況でありながら、それが起こらなかった理由……
それは光の反射と拡散を調整する事で紀の背後や死角を発光させる事で目印とし、そこを中心に範囲攻撃を仕掛けさせたり、動きや位置を予測しているのだろう。
相手が感知しにくい、死角に小さな閃光を起こす事で同士討ちを避けつつ、相手の位置を相手には悟られないように知らせる………
これが霞鴉の戦力運用の法則の一つだ。
紀「くっ・・・!この程度で負けるわけには・・・・・っ・・・・・」
ぐぐぐっ・・・・・!
(左右からの攻撃を能力でギリギリ当たる寸前で磁石が反発するようにぐらつきながらも停止させることに成功する・・・・・
が、紀の体への負担が、じわじわと大きくなり始める・・・・・
だが、今の光で何故霧の中でも自分の位置がわかるのか、やっと理解出来た・・・・・
となれば、これを利用するという手もある・・・・・)
>>768
>>769
《ググググ…》
左右から迫る枝槍と羽根弾の数と威力が少しずつ増加している…
相手の攻撃のタイミングや位置把握方法がわかったとしても、それを活用する方法は限られている…
攻撃に専念する事の出来る八咫烏とは違い、防御と回避を行うだけでなく、現状を打開するための策を練り、実行しなければならない……
時間の経過と共に力の消耗は激化していく中、過剰な異能使用によるデメリットや反動が起きる前に打破しなければ…その先には死しか待っていない。
紀「・・・っ、あ゙あっ!!!!!」
グォッ・・・・・!
(左右から迫り来る攻撃をなんとか別方向へと跳ね除ける・・・・・
「いいでしょう・・・・そこまでして私を怒らせたいのであれば、望み通り地獄を見せてやりましょう・・・・・!」
紀は限界を迎える前にやれるだけのことをやり、そして早い所ここから立ち去ろうと考える・・・・・
「さぁ、来るなら来なさい・・・・・」)
>>770
>>771
霞鴉
『面白いことを言うね。
地獄にいるのはキミだと言うのにね?』
次の瞬間、再び紀の左右から無数の枝槍と羽根弾が放たれる…
しかも、攻撃箇所を悟られないように場所を移動しながら攻撃をしているため、不規則に攻撃方向が変化しており、それが結果として周囲のあらゆる方向からの同時攻撃に繋がっている。
視力が使えない濃霧の中、一方的に攻撃される…
この不安と恐怖に押し潰される前に打開する術はあるのか…!
紀「随分派手にやってくれるじゃないですか・・・・・」
カッ・・・・・!
(紀は霧の中で感覚を研ぎ澄まし、攻撃を紙一重で避けながら空中に向かって何かを投げる・・・・・
すると次の瞬間、辺り一帯が激しい光に包まれる・・・・・
恐らく閃光弾を投げたのだろう・・・・・)
>>772
霞鴉
「(この瞬間的な発光……
閃光弾……か。なるほど、光の反射をしやすい濃霧を利用して閃光の威力を引き上げたか……)」
霞鴉もまた、一時的に身体を完全に霞に変え、そこから身体を再構築する事で視界を回復させつつ、冷静に戦況の分析を行う。
霞鴉
「(けど……それが吉に出るとは限らないよ?
なにせ……突然視界を奪われた者は見えない敵を恐れて周囲を攻撃し始めるのだからね)」
霞鴉の読み通り、樹木使いと、有翼の異能力者の二人が周囲に無数の枝槍を振り回し、または羽根弾を放ち続け、互いに自滅し合うことさえも厭わずに無差別に攻撃を撃ち出して行く……
仲間意識が低いからこそ、互いに攻撃が及ぶことさえも厭わずに視界を奪われた瞬間に周囲への攻撃を行っている。
だが、肝心の二人の位置……
特に樹木使いの位置はこの濃霧に紛れて巧妙に隠されており、周囲を攻撃する枝槍も遠隔操作可能なものとなっている。
紀「無差別攻撃、ですか・・・・・ナメないでもらいたい、私が幼少期過ごしたところなんて、こんな四方八方周囲への無差別な攻撃なんて当たり前、は日常茶飯事だった・・・・・」
(紀は幼少期、毎日が常に死と隣り合わせのスラム街、それも周りは砂埃で覆われることもあれば、銃を片手にうろつく大人がいることも珍しくない場所で孤独に育った・・・・・
霧の中でもある程度対処ができていたのは、幼少期に過ごした場所での経験が活きている証拠なのだろう・・・・・
常人ならばまず確実に避けることはありえない量の攻撃を、ひょいひょい避けてゆく・・・・・
「元戦争孤児を、ナメないでいただきたい・・・・・」)
>>774
>>775
《ガッ》
霞鴉
『遅いなぁ、判断も反撃も……
チャンスがあるのなら直ぐに攻撃しないと、こうして攻撃チャンスも潰されちゃうよ?』
紀は羽根弾と枝槍による無差別攻撃を避ける事が出来ていたものの、
反撃のためではなく、回避に専念してしまった娘とが仇となり、紀の背後に部分的に具現化された霞鴉の手が紀の襟を掴んで羽根弾や枝槍の方向へと強引に引き寄せる事で
その動きを封じ、そのまま羽根弾と枝槍による無差別な攻撃を紀に当てようとする…
紀「わざわざそちらから来て下さるとは、ありがたい・・・・・」
ジー・・・・・
スウウゥゥゥッ・・・・・
(襟を掴まれた紀の首には、服で隠れていたものの何やら監視カメラのようなものが付いたベルトのようなものが巻かれており、次の瞬間、紀に向かっていた攻撃がいきなり現れた謎のゲートのようなものに入っては、もう一つ出現したゲートのようなものから出てきて、来た方向をスピードを維持したままそのまま戻り始める・・・・・
「貴方が霧になれるのであれば、私達もそれ相応の対処をさせてもらいます・・・・・私達のリーダーは、もうあなた達をロックオンしました・・・・・」)
>>776
>>777
霞鴉
『へぇ……その対策がどこまで通じるのか試してみなよ。』
枝槍と羽根弾の二つを空間転移によって返された事で事実上無効化されると、掴んでいた紀の襟から手を話し、掴んでいた霞鴉の左手が再び霧散する。
また、一度や二度返しただけでは濃霧に紛れた相手には当たらず、再度左右から羽根弾と枝槍が迫って来る……
この場にいる二体の鴉も少しずつ視力が回復して来たのか、命中精度も再び上がり始めており、幾らか閃光に対する対策も取って来てしまうだろう。
紀「これは・・・・・思っていた数倍はキツイ戦いになりそうですね・・・・・」
(すると「どうです?提案なんですが、私は能力を使わずに戦います、ですからそちらも能力を使わずに戦う、というのは・・・・・仮にも表向きは名だけの正義を語る者達が、ただただ悪人を数人係で、しかも視界を遮ってまでボコボコにするというのはそこらのチンピラよりもよっぽどタチが悪いと思いますが・・・・・?」と、能力は使わずにお互い、人数の差は出るものの正々堂々と戦わないかと提案する・・・・・)
>>778
>>779
霞鴉
『フフッ、敵に対して提案するなんて愚かだね。
その提案に乗る輩なんて存在するのかい?』
次から次へと枝槍と羽根弾による波状攻撃が続く中、霞鴉は紀の提案を一蹴する……霞鴉に挑発や罠は通用しない……何故なら、自らの優位性を維持するために常に冷静沈着に戦況を分析し続け、相手の一挙手一投足に至る全てを"観察"しているからだ……
霞鴉
『いいか?正義を語れるのは勝ち続けた者だけだ。
敗者の語る理想は須く悪となる…
悪に等しいと糾弾されようと、独善的だと蔑まれようと、正義を語り続ける以上は勝ち続けなければならないんだ。一度でも敗北してしまえば……それはもう正義とは呼べない……呼ばれない。』
霞鴉は自らの正義に対する価値観を語る。
霞鴉が何故ここまで慎重に戦うのか……その理由は正義である事を維持するためだ。
善悪の価値観など幾らでも逆転してしまう事を霞鴉は知っている。
どれだけ心優しい者であっても……善人の行う善行だろうと、それと正義がイコールになるとは限らない。
悪人が善人を悪であると大衆に語り、力によって善人を捩じ伏せる事でその汚名の一切を押し付けることが出きると言うことを霞鴉は知っていた。
だからこそ、勝ち続けるために手段を選ばないようになったのだろう。
紀「なるほど・・・・・価値観が古いですね・・・・・ごふっ・・・・・!」
(紀は能力の制限時間に突入し、吐血し始める・・・・・
勝ち続けた者だけが正義になるのなら、どんな悪でも勝ち続けたなら正義になるだろう・・・・・
正義も悪もどこまでが、どこからかという判別は難しいが、万条の一致の悪人ですら勝ち続ければ正義となりうる・・・・・)
>>780
>>781
霞鴉
『フフッ、何事も新しいモノだけが正しいとは限らないのさ。』
異能の過剰使用の反動によって吐血する紀を見ている霞鴉は濃霧の中、周囲の空間を静かに反響するような声量で何事も新しいモノだけが正しいとは限らないと応える。
霞鴉
『さあ、時間稼ぎはもういいかな?
ボク達の方はもう充分に稼げたよ。』
紀の話しに乗って正義について語った行為も、紀が何かを仕掛けるための時間稼ぎであったと察した上のもであったようで、視力の回復した翼腕の男が紀の背後から巨大な鈎爪のような脚を持って紀の体を捕らえようとする。
同じ手は二度も通じない……
もう閃光弾では視力を奪うことは出来ないだろう……
紀「えぇ、やっとここまで来てくれました・・・・・」
スウウゥゥゥゥッ・・・・・!
(襲い来た翼腕の男が迫ってきたその時、先程と同じように男と紀の間に桜空の遠隔操作するワープゲートが出現する・・・・・
桜空「ようこそ・・・・・」)
シュンッ・・・・・!
・・・・・・
(桜空は男が迫ってきたその時に合わせてゲートを出現させることで相手の意思に関係なくゲートの向こう側へ来るように仕向け、そしてゲートを閉じた・・・・・
氷華の弟というだけあるからなのか、それとも狼谷の死が影響を与えたのか、明らかに以前よりもワープゲートの出現までの時間が短くなっている、つまりゲート展開が早くなっており、そして同様にゲートを閉じるのも早くなっている・・・・・)
>>782
>>783
霞鴉
『へぇ……そのワープゲートは少し厄介だったけど……
キミ達のリーダーでは彼を仕留められるだけの力は無いだろう?』
空中から滑空している状態であったため、速度が速いものの、その旋回力は低下しており、桜空のワープゲートを通じて彼の目の前へ移動させられると、そのまま桜空へ飛び掛かり、一気に制圧しようとする。
霞鴉
『それに……本命はこっちだ。』
《バッ》
紀の眼前に無数の枝槍が迫る……
濃霧に紛れているせいで何処に術者がいるのかわからない上に、遠隔で幾らでも攻撃できるため、霞鴉の力と相性が良い。
だからこそ、翼腕の鴉がこの場から消えてもまるで気にしておらず、平気で紀に対して追撃を加えて行く……
>>783
ここで桜空が来たとあらば、もう一人忘れてはならない男がいる。
「へっ、漸く出番ってか?」
アーミーグリーンのモッズコートをたなびかせ、桜空のワームホールの一つをくぐり抜けた。
「よう、皆さんお揃いで。これだけ豪華な面子で紀ちゃん一人お出迎えとは、サービス精神旺盛ですなあ」
ミュージカルでもしているかのような仰々しい仕草をしながらの軽口。しかしその内に秘めたる闘志と怒りは、確かに彼の中で渦巻いている。
「んじゃ、こっちも相応の礼儀を尽くさねえとなぁ?」
瞬間、虚空を掴む。
否、掴んだのは虚空ではない。その手には既に形成された棒術用鋼鉄棍が握られていた。
それを風切り音と共に一通り振り回し、構える。
「そらよっ!」
そして目にも止まらぬ速さで踏み込み、紀に迫っていた枝槍を全て粉砕。
「おーっとっと、ちょいとやり過ぎたかねぇ?」
素人にはほぼ見切れない程の動きをしたにも関わらず、息は全く切れていない。
【暫く出番がなかったので、独断で『桜空と一緒にきた』ということにさせて頂きました。もし展開的にまずいようなら直ぐ撤退させます】
>>785
霞鴉
『へぇ……これで手数の優位性は崩れた訳か……』
霞鴉
『フフッ、でも残念だったね。
増援が来るのなら……あと数万は用意しないとこの"数的優位性"は崩せないよ?』
《シャッ》
あくまでも霞鴉は視界を奪い、部下の姿を隠す事に専念している。
まだ自分が戦うべきではないと考えているから、それとも霞鴉自身は霧化と濃霧生成しか異能の範疇に無いからなのか……
その真相は謎だが、中川が新しく増援として現れた事で、無数の枝槍が今度は中川の足元のコンクリートを突き破って伸び、中川の体を貫こうとする。
ドゴォッ・・・・・!!!!!
桜空「ほらほらどうしたデカブツ、こっちだこっち」
(桜空の身体能力が、意見よりも増している・・・・・
相手の行動を先読みしたかのように華麗に避けては、腹部への強烈な一撃をおみまいする・・・・・
桜空の目には氷華とはまた違った強い意志が宿っている・・・・・)
>784
桜空「中川、俺はこいつを何とかする、悪いがお前は紀の助っ人になってくれ、片付き次第手助けへ行く、くれぐれも〇すなよ?」
(桜空は翼腕の男をゲートの先で何とかするので、そっちは紀の手助けになってくれと言う・・・・・
「言っておくが、マジで危険だと判断したらすぐに止めに入るからな・・・・・」
ゲートを閉じる寸前に中川へ忠告をしておく・・・・・)
>>785
>>707
【桜空vs鳥人の鴉】
鳥人の鴉
「この野郎……!!!」
最初の掴みかかりを避け、更にカウンターとして強力なボディブローを受けるが、小柄な桜空では物理攻撃において最も重要な体重が無いため、決定打にはならず、
空中へその衝撃を逃す事でダメージを最小限に抑えた上に、距離を取り、反撃として無数の羽根弾を打ち込んで桜空を撃ち抜こうとする。
桜空には相手を殺傷するつもりは無くとも、それを知らない鴉は、敗北=死と言う事を認識しているため、死に物狂いで抵抗してくるだろう……
>>786、787
(……来る!)
僅かながら伝わるコンクリートからの振動。偶然地震が起こったなどという能天気な認識は持たない。
「前に俺が使ったのと似たような手だな!」
故に対処はしやすい。鋼鉄棍を一瞬でスレッジハンマーに変え、思い切り振り下ろす。
豪快な一撃が枝槍を全て砕いた。
「まだだぜ?」
それだけに留まらず、直ぐ様スレッジハンマーを無数の細長いドリルに変化させ、先端の砕かれた枝槍全てに掘削させ始める。
(こいつは見たところどう見ても枝だ。てことはそれを伝って掘り進んでいけば本体にたどり着ける筈)
鋼鉄の螺旋錐は異形の樹木に食い込み、食い荒らす。
「ん? ああ、わかってますよ大将」
桜空からの非殺傷に徹しろという命令を快諾する。もう彼が生半可な覚悟でないことは思い知らされた。ならばその信念の為に尽力するまで。
(尤も……『非殺傷による不利益』も受け入れる覚悟を持ち合わせてない場合は、その限りじゃねえけどな)
その時は躊躇なく反旗を翻し、狭量な独裁者を討とう。
桜空「・・・・・さて、これで思う存分やり合えるってわけだ・・・・・」
ズッ・・・・・!
(桜空はゲートを出現させ、もう一つの転送先に繋がるゲートを相手の方向へ、だがギリギリで当たらない位置に相手の羽根弾を跳ね返す・・・・・
「どうした?見た目だけじゃなくおつむの方も単細胞か?」)
>>788
紀「気をつけなさい、奴らこの霧を最大限に活かして攻撃を仕掛けてくる・・・・・」
(駆け付けてくれた中川に忠告をする・・・・・
どう転んでも八咫烏側が有利なこの状況、ファースト側に一人加勢したところで逆転できるほど甘い戦いではなく、二人まとめてやられる可能性も十分にある・・・・・)
>>789
>>790
【中川vs樹木使い】
《メキメキメキメキメキ…》
術者に近づけば近付くほどに樹木は強度を増しており、その根本を掘り進める速度や、螺旋錐の磨耗も激しくなってしまう……
更に、その樹木そのものに高い再生力と生命力があるようで、空洞になった箇所も僅か十秒足らずで埋まってしまう上に、砕かれた箇所から細長い鞭のような枝が生え、硬度や殺傷力は落ちるが、その手数と一本一本の速度によって中川に反撃しようとする。
中川の読み通り、この樹木の根元には、樹木と半信が一体化した術者が潜んでいる。
また、この異能はあくまでも一本の樹木を介して攻撃を行うといった性質のものであり、複数の樹木を同時に生成して操るのでは無く、一本の樹木の枝を分裂させたり増殖させる事で攻撃をしている。
>>790
【桜空vs翼腕の鴉】
翼腕の鴉
「ふざけやがって!この餓鬼がァ!!」
翼腕の鴉は遠距離攻撃は効果が無いと言うことや、挑発を受けて頭に血が登った事で近接攻撃を仕掛けようと、両足の巨大な鈎爪を剥き出し、それによって桜空に向けて再度飛び掛かる。
翼を持ち、自由に空を飛べると言うことからその速度はかなりのものだが、その分動きも単調になってしまっている……
空間移動させる事が出来れば相手の攻撃を無力化させる事も出来ると思われるものの、それだけでは相手を倒す事も出来ない。
更に……この鴉の後には霞鴉も控えているため、悪戯に異能を使うのは得策とは言えないだろう。
【紀vs霞鴉】
霞鴉
『部下二人は暫くは使えないか……
仕方がない、こうなればボク自身も戦うとしよう。』
《ザアァァァァァァァァァァァァァァ……》
霞鴉は紀の前、6m程前方にて、周囲を覆う濃霧の一部が集束し始め、人の形を成すと、そこにはカランビットナイフを持った綺麗な白髪に碧色の瞳をし、右目が髪で隠れ、黒いスーツのような服に身を包んだ霞鴉が現れる。
漸く霞鴉が姿を見せたのだが、彼女の先程の発言から霞鴉一人で幾万人分の戦闘能力を持っている事がわかるため、無策で現れた訳ではないのだろう。
桜空「お前が猫だとするなら俺はネズミだが、ネズミはちいせぇ分動きが早いらしいな、正に今の俺とお前じゃないか・・・・・」
スッ・・・・・
(桜空は小さい分、その小ささを戦闘で活かし、攻撃を見切って避ける以外に身軽さで攻撃を避けるということも出来る・・・・・
体格差という部分では桜空の方が一歩も二歩も有利なような気もするが、相手は相手でその凶暴さと爪を活かした猛攻で攻めてくる・・・・・
桜空の目的は相手を〇すことではなく、相手の動きを完全に止めることであり、タイミングを見計らって不意打ちを仕掛け気絶でもさせることができればいいのだが・・・・・)
紀「やっとお出ましですか・・・・・」
(こちらはもう能力のせいでかなりボロボロなのに、相手はやっと姿を現したことから、相手にとっては今までは単なるお遊び程度であり、これからが本当の地獄の幕開け、といったところか・・・・・)
>>792
>>793
【桜空vs翼腕の鴉】
翼腕の鴉
「ふん、俺は空を舞う大鷲だ!
鼠も猫も俺にとっちゃ餌でしか無い!!」
顔に血管を浮かべながら、爪による捕獲を避けられると、それを最初の回避の時点である程度予見していたため、爪を避けられて直ぐに刃のような両腕の翼を桜空に向けて至近距離で振るう事で追撃を加えようとする。
【紀vs霞鴉】
霞鴉
「キミだけは私の手で葬った方が安定すると思ってね。
なに、キミを葬った後、残りは全て部下達に任せるさ。」
《ヒュッ》
紀を観察し、彼女の異能でサポートをされると厄介であると思ったからか、部下の二人がそれぞれ敵対者と戦い始めた事で自分の手で後方支援に長けた紀を先に潰すと言う。
そして話し終えた瞬間、霞鴉は右手に持ったカランビットナイフではなく、左手を紀の顔に向けて伸ばす。
人間は反射的に目の前に高速で迫るモノを見ると後ろへ仰け反る癖がある。その反射的に相手が後方に下がるだろう事を見越し、一気に紀を地面へと押し倒し、回避も防御も出来ない状態へ持ち込もうとする。
今この場で霞鴉を倒す事が出来れば……
三羽鴉の一羽を失わせ、圧倒的に不利な現状を覆す転換点にする事が出来るだろう。
桜空「その餌に遊ばれてるようじゃあ、空を舞う大鷲が聞いて呆れるな・・・・・」
ドガッ・・・・・!
(自分の足元にゲートを出現させ、相手の頭上に移動するとそのまま踵落としをおみまいする・・・・・
そして、相手からの反撃が来る前にまたゲートで別の場所へ移動するという、自分の能力を最大限に活かした戦い方をする・・・・・
こうしている間にも桜空は、相手を〇さずにどう倒すかを考えている・・・・・)
紀「言っておきますが、タダでは捕まりませんからね・・・・・」
グサッ・・・・・
(忍ばせていたナイフを能力で操り、相手の右手を貫通するように猛スピードで突き刺す・・・・・
紀自身、戦闘経験だってかなりある、自分が後方に下がったところを何かするつもりなのだろうということは大体わかる、体を霧にできる相手にこの攻撃が通用するかどうかはわからないが、相手の予想から少しでも逸れた結果になるのなら、徐々に相手の戦いの策を崩すことも少なからず可能だろう・・・・・)
>>794
>>795
【桜空vs翼腕の鴉】
《ガッ》
翼腕の鴉
「餌が生意気に動き回ってんじゃねぇよ……!」
《メキメキメキメキメキ…》
桜空の一撃が鴉の頭に直撃するが、やはり致命傷には至っておらず、それどころか右翼の一部の異能を解除して桜空の左脚を掴み、翼の代わりに顔の一部を黒い嘴に変えて桜空の頭を突き刺そうとする。
だが、これは逆に鴉の高速移動や飛行と言った機動力を自ら捨てて攻撃に転じているため、ここで強力な一撃を逆に加える事が出来れば勝利出来るかもしれない。
【紀&霞鴉】
霞鴉
「フフッ、キミの異能は既に把握しているよ。」
紀の放ったナイフが霞鴉に向けて勢いよく飛び出すものの、霞鴉は身体の一部を即座に霧に変えることでナイフを避けると、そのまま伸ばした左手で紀の顔を掴んで一気に押し倒す。
既に先程の戦いで、部下達を介して紀が遠隔で物体を動かす異能であると言うことは把握していた。それに対して自分は瞬時に体を霧に変えることが出来る異能を持つ。
相性におけるジャンセンでは既に勝っていると言っても過言ではないだろう。
霞鴉
「一矢報いる事が出来るなんて思わない方がいい。
何せボクは……"無敵の鴉"なのだからね……!」
そのまま霞鴉は逆手持ちになっているカランビットの刃を殴るようにして突き出す事で紀の喉元を切り裂いて絶命させようとする……
桜空「くっ・・・・・!?」
グッ・・・・・!
(脚を掴まれるものの、その身軽さで相手の攻撃を頬に掠る程度でギリギリで避けると、相手の片目に指を突っ込む・・・・・
自分の力ではまともなダメージを与えることは難しい、だが人間誰もが急所である部分を攻撃すれば、大抵の者は一時的に怯む・・・・・)
>>796
ぐぐぐっ・・・・・!
紀「・・・・・っ・・・・・!」
(能力で、相手の腕の動きを止めるものの、完全に止めるというよりかは、何とか力を振り絞ってやっと片腕を止めることが出来る程度なのか、磁石同士が反発するような感じで相手の攻撃を止めている・・・・・
悪足掻きとは正にこのことか・・・・・)
>>797
>>798
【桜空vs翼腕の鴉】
翼腕の鴉
「ぐああああああッ!!?
テメェ………!!!」
片目を潰された事でますます怒り狂い、今度は両足で桜空の両足を掴み、両足に備えた鈎爪によって桜空の両足を潰し、完全にその機動力を潰そうとする。
急所だけじゃない、突然の激痛によっても人は怯む。
それを知らしめるようにして反撃を加えて行く……
翼腕の鴉
「片目を潰した程度で図に乗るなよ……!!!」
《グアッ》
そして、ここで再び嘴によって桜空の頭を割ろうと、ヘッドバンドをする要領で頭を突き出す。
片目を潰されようと、既に至近距離にいて、攻撃のほぼ全てが通るようになった今では、視力を潰されようと相手の位置を常に把握していられる……
【紀vs霞鴉】
霞鴉
「へぇ?目が見えなくても使えるんだ?
だけど無駄だよ、既に部下達との戦いでかなり消耗したと言うのはわかっている。"これ"もいつまで持つかな?」
霞鴉は馬乗りの状態である事を活かして右肘を少し折って右腕に全体重をかけ、そのまま紀の異能による制止を押し切って紀の喉元を切り裂こうとする……
霞鴉の左手は未だに紀の顔を抑え続け、その視界を遮り続けているものの、既にカランビットナイフの刃は紀の喉に当たっており、一瞬でも気を緩めてしまえばそのまま喉を切り裂かれてしまうだろう。