桜空「・・・・・」
(朱音が立ち去った後、言い過ぎてしまったと立ち尽くしながら後悔する・・・・・
だが、一人でも今回の戦いに関わる人間が減ったことは、逆によかったのかもしれない・・・・・
内心、自分はクズだと思うが、これが最善の策とも思えてしまう自分がいる・・・・・)
>>750
「あっちゃー……」
舌の根も乾かぬ内にこの体たらく。
流石の隆次もこれには呆れ果てた。
狼谷の遺志を放り投げてしまいたくなる。
(いや……ここ最近で立て続けに状況変化の連続だからな。完全に冷静さを保てってのも酷な話か)
何とか自分を押さえ思い留まる。そうだ、ここで自分が冷静にならなくてどうする。今朱音が去ってしまった以上桜空のブレーキ役は自分しかいないのだ。
「行っちまったもんは仕方ないですぜ大将。俺がやれるだけやってみますよ」
そして、一歩引いた視点で見れば桜空は見事彼女を危険な前線から遠ざけた。
もしかすると無意識の内に、仲間を死地に行かせない為の最適解を選んでいたのかもしれない。