>>786、787
(……来る!)
僅かながら伝わるコンクリートからの振動。偶然地震が起こったなどという能天気な認識は持たない。
「前に俺が使ったのと似たような手だな!」
故に対処はしやすい。鋼鉄棍を一瞬でスレッジハンマーに変え、思い切り振り下ろす。
豪快な一撃が枝槍を全て砕いた。
「まだだぜ?」
それだけに留まらず、直ぐ様スレッジハンマーを無数の細長いドリルに変化させ、先端の砕かれた枝槍全てに掘削させ始める。
(こいつは見たところどう見ても枝だ。てことはそれを伝って掘り進んでいけば本体にたどり着ける筈)
鋼鉄の螺旋錐は異形の樹木に食い込み、食い荒らす。
「ん? ああ、わかってますよ大将」
桜空からの非殺傷に徹しろという命令を快諾する。もう彼が生半可な覚悟でないことは思い知らされた。ならばその信念の為に尽力するまで。
(尤も……『非殺傷による不利益』も受け入れる覚悟を持ち合わせてない場合は、その限りじゃねえけどな)
その時は躊躇なく反旗を翻し、狭量な独裁者を討とう。
桜空「・・・・・さて、これで思う存分やり合えるってわけだ・・・・・」
ズッ・・・・・!
(桜空はゲートを出現させ、もう一つの転送先に繋がるゲートを相手の方向へ、だがギリギリで当たらない位置に相手の羽根弾を跳ね返す・・・・・
「どうした?見た目だけじゃなくおつむの方も単細胞か?」)
紀「気をつけなさい、奴らこの霧を最大限に活かして攻撃を仕掛けてくる・・・・・」
(駆け付けてくれた中川に忠告をする・・・・・
どう転んでも八咫烏側が有利なこの状況、ファースト側に一人加勢したところで逆転できるほど甘い戦いではなく、二人まとめてやられる可能性も十分にある・・・・・)
>>789