>>843
《ザアァァァァァァァ……》
霞鴉
「もう逃げることは出来ないよ?」
桜空がワープゲートを介して山奥の小屋へ移動するものの、その桜空が開いたワープゲートに濃霧の一部と共に入り、桜空の背後で再び姿を現すと、右手に持ったカランビットナイフを桜空に向けて殴る勢いに乗せて押し出し、一気に決着を付けようとする。
最初は突撃させている霧の騎士達を送り込もうとも考えたが、霧の騎士達の移動速度ではワープゲートの開閉に間に合わない。そのため、霞鴉自身が霧となって高速でワープゲートを通り抜ける事で桜空に先回りを仕掛けていた。
奇しくも霞鴉が姿を見せ、厄介な霧化も数秒の間使えない状況にする事が出来たものの、両足がまともに動かせない桜空ではこの一撃を回避するのは困難だろう……
仮に再びワープゲートを作って移動しようとも、至近距離にいる霞鴉もそれに合わせて即座にゲートを通って追撃を仕掛けて来るだろう…
桜空「・・・・・」
(もはやここまでかと、桜空らしくもなく覚悟を決める・・・・・
死にたくない、戦わなければならない、でも体が動かない・・・・・
意志とは対照的に、体は動かすことが出来ないという、覚悟を決めるしか道は残されていなかったその時・・・・・)
ビュォッ・・・・・!
(強烈な突風が吹き荒れる・・・・・
まるで、桜空に味方するように・・・・・)
紀「まぁ、憶測の域ですが・・・・・」
(これは推測でしかなく、実際はどうなのかはわからない・・・・・
だが、能力者が存在する以上、可能性としてはゼロではないはずだ・・・・・
どの道、相手が悪すぎた、桜空はもうダメだろうと思っている・・・・・)
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