桜空「・・・・・」
(もはやここまでかと、桜空らしくもなく覚悟を決める・・・・・
死にたくない、戦わなければならない、でも体が動かない・・・・・
意志とは対照的に、体は動かすことが出来ないという、覚悟を決めるしか道は残されていなかったその時・・・・・)
ビュォッ・・・・・!
(強烈な突風が吹き荒れる・・・・・
まるで、桜空に味方するように・・・・・)
>>844
紀「まぁ、憶測の域ですが・・・・・」
(これは推測でしかなく、実際はどうなのかはわからない・・・・・
だが、能力者が存在する以上、可能性としてはゼロではないはずだ・・・・・
どの道、相手が悪すぎた、桜空はもうダメだろうと思っている・・・・・)
>>845
狼谷
『おちおち死んでもいられねぇな。』
これは夢か幻か、黒いボサボサの髪に、不健康そうな肌、特徴的な丸い眼鏡をかけた男……狼谷が桜空の横に現れ、霞鴉に向けて右腕を翳すと同時に巻き起こった突風によって霞鴉の異能の主軸となっていた濃霧が掻き消される。
彼は確かに死亡した筈であり、
この狼谷の姿も桜空にしか見えない幻のようなものなのかもしれない……
霞鴉
「…………ッ!!
サーマル……いや、山風か……!?
だけど……今の状況ならこのナイフ一本で充分……!!」
突如巻き起こった突風によって纏っていた濃霧が掻き消されてしまうものの、満足に動くことの出来ない桜空一人を仕留めるにはナイフ一本で充分であると判断している。
普段の彼女であれば距離を取って様子を伺うなり、再度濃霧を展開する事を選択するのだが、ナイフが突き刺さる事も厭わずに蹴りを繰り出した紀の姿と言うイレギュラー要素を目の当たりにした事で勝ちを急いでしまっていた。
吹き込んだ突風に、霞鴉の選択ミス。
この二つの大きな要因が桜空に味方をする。