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霞鴉
「……ッ!!
やめ……ろ…!」
まさか自分の能力による有効範囲が、自分が直接触れている無機物に限定される。だからこそ、最初に出した部下二人も霧化させる事が出来なかった……
その事を知っていたのかどうかは知らないが、自分に抱き付くようにした事で完全に能力が封じられる形となり、必死にもがいて脱出しようとするものの、
決死の力を振り絞る桜空に、体術をあまり鍛えていなかった霞鴉では逃れる事が出来ず、電線に触れてしまう……
霞鴉
「ぐッ!?
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
電線に触れた瞬間、霞鴉の体に凄まじい高圧電流が走り、霞鴉と桜空の二人に激痛が襲い掛かる……
桜空「がっ・・・・・ぁ・・・・・!あ・・・・・」
(覚悟はしていたが、やはり想像を絶するほどの激痛に、呻き声が漏れる・・・・
全身を無数の針で同時に突き刺されるような激しさと、体中が焼かれているような熱さ、これが生き地獄というものなのかと思えてくる・・・・・
が、これで八咫烏の主力の一角を削ることができたのだから、まだいい方だろう・・・・・
しばらく電流を受けた後、二人して地面へと落ちてゆく・・・・・)
ドサッ・・・・・
桜空「・・・・・あ・・・・・りが、と・・・・・な・・・・・狼、谷・・・・・」
(風が吹き荒れたあの場所、狼谷と初めて出会ったあの小屋があった場所に転送したのは、本能がそうさせたのか、それとも狼谷が導いてくれたのかは定かではない・・・・・
だが、あの時確かに見えた狼谷の姿に、桜空は感謝の言葉を述べると、そのまま意識が落ちた・・・・・)
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