ピキッ・・・・・パキッ・・・・・
桜空「ぅ・・・・・あ・・・・・」
《くそっ・・・・・!体が・・・・・動かねぇ・・・・・》
(平和の実現の為ならば、悪人になっても平和を望む実の弟すらも手にかけることを躊躇わない氷華の作り上げた氷は、まるで氷華の今の人間性や心を表すかのように、硬く、そしてどこまでも冷たい・・・・・
桜空は、力を振り絞り懐の拳銃を取り出そうと必死に腕を動かすものの、わずか数ミリ動かすのがやっとであり、桜空はどんどん氷像へとなってゆく・・・・・)
>>978
氷華
「……………。」
氷華は構わずに議事堂前の階段を登って行く。
そして去って行く氷華の背中も周囲に吹き込む吹雪によって薄れ始めてしまっている。
かつて二人は別々に別れ、それぞれ過酷な環境で生きることになったのだが、その時と同じ……いや、その時以上に、この場で氷華の姿が見えなくなった場合、二度と会うことが出来ない……例え桜空が生き延びたとしても二度と氷華と邂逅することは無い。
そんな予感が感じられる。