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氷華
「…………!!?」
何か命乞いをするのか、それとも恨みの込められた言葉を投げかけられるか……氷華が裁いてきた悪人達は例外無くそのどちらかしか言ってこなかったのだが、抱き締めて欲しいと言われると、驚愕する。
氷華
「………いいわ。」
例えここで攻撃をされようと、これまでの経験から体術だけでも充分に対応できると言う事だけでなく、氷華の中にある微かな人間性が攻撃される隙を作り出してしまうであろう、抱き締めると言う行動をさせる。
無数に展開した氷柱はそのままだが、ゆっくりと乗っている氷塊の浮力を弱めて地上へ降りる。
桜空「・・・・・サンキュー・・・・・」
(視界が霞む・・・・・いつ、何も見えなくなってもおかしくはない・・・・・
細胞の一つ一つが、芯から凍りついていくような感覚に襲われる、隙あらば弾丸を、せめて罪悪感を軽くする為に自分もろとも急所を外して撃とうと思ったが、もう腕を動かす気力すら残されていないと悟る・・・・・
ここで死ぬのなら、せめて最後だけは、正真正銘、姉弟として人生を締め括りたいと願った・・・・・)
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