>>34
氷華
「……悪人が誰かを救う?それはありえない、悪人は奪うことしか知らない筈……」
桜空からの言葉を聞いて驚く。
氷華の見てきた悪は総じて、救い用の無い外道ばかりであり、とても他者を守ったり、救おうと言う気概はなく、自分が不利になれば直ぐに逃げ出す、他者を利用するために善人を装うことはあっても、その本質は自己保身であるためだ。
だからこそ、氷華は悪を嫌悪し、憎悪して、悪が存在しない世界を作り上げようとして来た……
桜空「・・・・・俺も・・・・・最初はそう思った・・・・・父さんと母さんの命を奪ったのは悪人だった、だから悪人なんてみんな〇ねばいいと思った・・・・・でも・・・・・俺を拾ってくれたあの人は・・・・・ボスは・・・・・優しかった・・・・・」
(そう言うと、弱い呼吸を繰り返しながら「武器商人のくせして・・・・・相手に売るのはみんな精巧に作られた武器として全く機能しないバッタもんだし、売って得た金は児童施設や福祉施設に寄付したりするし、悪人って名乗ってるのが馬鹿みてぇな奴だよほんと・・・・・不正に得た金が預けられている銀行だってなんだって、すぐに突き止めて強盗して取り返しちまうんだ・・・・・そんなの見てたらさ・・・・・やり方は間違っていても・・・・・この人につていきてぇって思ってさ・・・・・俺は悪人の道に生きることを決心したんだ・・・・・」)
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