>>65
《ガガガガガガガッ…》
ライフルに搭載されたサプレッサーはあくまでもパリの市民に気付かれるリスクを減らすためのものであり、此方に向かって来るフィーニスに向けて同じようにわざと反動を残しつつ集中砲火して弾幕を展開していく
更に、フィーニスが弾丸を避けることを想定した上で敢えて銃身の反動を無くし切らずに放ったものである上に、連射式のライフルであれば面制圧も容易に行えるため、フィーニスの体にもかなりの銀の弾丸を撃ち込めるだろう。
《ジュウゥゥゥゥゥ…》
更に、部隊のメンバーは純粋な強度に劣る銀板をボディアーマーに仕込んだのは『触れた吸血鬼』に反撃としてのダメージを与えるためであり、フィーニスに蹴り飛ばされた隊員達はそのまま蹴り飛ばされるものの、ボディアーマーに触れたフィーニスの足が、間接的にだが酷い火傷のようなダメージを与えることが出来るだろう
何百年もの歳月、吸血鬼はあくまでも個人の知識や経験のみが頼りであるのに対して吸血鬼狩り達はより確実に吸血鬼を仕留めることが出来るようにするために、幾重にも練り上げられた戦略と装備に身を固めている。
これこそまさにネットが普及する以前から国境を超えて伝えられ続けてきた古来より続く闘争の記憶と経験……
何時かは吸血鬼を……そしてその上位にいる夜王を滅ぼし、すべての悲劇を終わらせる……ただその一念のみを抱いて数多の血と屍の上に作り上げられた人類の苦悩と叡知の結晶が人である事を捨て、人間の強さを捨てた吸血鬼(フィーニス)に立ちはだかる。
【大丈夫ですよ〜
人間側はその科学力や技術力、そして数の利を活かした徹底抗戦をするので、例えZ級であっても油断は禁物かもです……!】
>>66-67
「おっと。…参ったな、この服結構貴重なんだけど」
銃弾が頬や太股付近を掠め、蹴りにより爛れた皮膚に視線を移すと無表情でありながらも声を漏らす。傷は比較的早く癒えたものの、圧倒的な銃弾の数には掠り傷が絶えずにいて。
( 廃墟がどんどん壊れていくね。ここを潰してしまうと…あの吸血鬼くんに怒られてしまうかもしれないな。)
この隠れ家を守ることを優先した結果、先程攻撃するために触れていた破片は、能力による強度に頼り銃弾を防ぐことにまわす。破片で防ぎながら、それでも防げない部分を避ける。その時にさり気なく他の破片に触れることも忘れずに。ビー玉よりも小さいそれらは、より早く、より強度を持ち、そして多く操れるということ。ただの破片は忽ち鋼鉄のような強度を持ち、攻撃する素振りを見せないまま、吸血鬼狩りを蜂の巣にせんと破片を放った。
「終わりにしよう」
避けようとされても何処までも追える。…まあ、人間にこの破片が捉えられるかどうか疑問だけれど。増援のことも考えると、念の為廃墟の外へと退避する。此処でなるべく数を減らしてやろうと、隠れ家の吸血鬼が葛藤しているなんて知らずに。