>>66-67
「おっと。…参ったな、この服結構貴重なんだけど」
銃弾が頬や太股付近を掠め、蹴りにより爛れた皮膚に視線を移すと無表情でありながらも声を漏らす。傷は比較的早く癒えたものの、圧倒的な銃弾の数には掠り傷が絶えずにいて。
( 廃墟がどんどん壊れていくね。ここを潰してしまうと…あの吸血鬼くんに怒られてしまうかもしれないな。)
この隠れ家を守ることを優先した結果、先程攻撃するために触れていた破片は、能力による強度に頼り銃弾を防ぐことにまわす。破片で防ぎながら、それでも防げない部分を避ける。その時にさり気なく他の破片に触れることも忘れずに。ビー玉よりも小さいそれらは、より早く、より強度を持ち、そして多く操れるということ。ただの破片は忽ち鋼鉄のような強度を持ち、攻撃する素振りを見せないまま、吸血鬼狩りを蜂の巣にせんと破片を放った。
「終わりにしよう」
避けようとされても何処までも追える。…まあ、人間にこの破片が捉えられるかどうか疑問だけれど。増援のことも考えると、念の為廃墟の外へと退避する。此処でなるべく数を減らしてやろうと、隠れ家の吸血鬼が葛藤しているなんて知らずに。
ユスタス《・・・・・くそっ!命が優先だ・・・・・っ!》
ダッ・・・・・!
(ユスタスは大量の情報の損失よりも、目の前の人間の命を救うことを優先し、気が付けば自然と体が動いていた・・・・・
吸血鬼狩り隊員を抱き上げると、そのままその場から闘争しようとして・・・・・)
>>68、69