…いえ、自分などまだ足元にも及びません
( 相手の目に酷く冷たい光を見た。勘違いかと思うほど短い間であったが確かに見たのだ、酷く冷たい瞳を。不自然なほどの笑顔も不気味であったが、笑みの消えた表情はまた違った不気味さを漂わせていた。強ばる顔を無理やり動かし上記を述べる。声は震えていなかっただろうか。もうすっかり元の胡散臭い笑顔に戻った奴の方から距離を取ってくれたのは正直ありがたい。バクバクとうるさい心臓の音に気づかれないうちにこの場から逃げたかった。背筋に嫌な汗が流れるのを感じる。何を怯えることがある、いつかは立ち向かわなくてはならない相手であるのに。自分がこんなにも情けないやつであると知りたくなかった。出会えば勢い余って1発食らわしてやるかもしれぬ、と憤っていたのにこの有様だ。あの日、ただ見ていることしか出来なかった幼き自分と一体何が変わるのだろうか。あの時から何も変わらず、いつまで経っても腰抜けで腑抜けなままなのか。留まることを知らない嫌な記憶は頭を駆け巡り思考を麻痺させる。その頃には相手の顔を見ることすら出来ず俯き、逃げるように下記 )
お話の途中申し訳ありませんが、上官に呼ばれているため失礼致します
>>10 羅刹閣下
まあ、そのくらいの気概で頑張ってねってことで
( 多少は期待を掛けて返答を待っていたが、すげなく流されてしまった。面白くないな、という態度を声色の端に態と少しだけ滲ませつつ、相変わらずの笑顔のまま軽い口振りで上記。これで彼が更に努力しようと思えるならば、過程はさて置いても構わないだろう。さてまあ、話し込みすぎても仕方ないと思ったところで、そのまま相手方からふいと視線を逸らされると一も二もなく逃げられてしまう。あーあ、と溜息をつく。もう見てはいないと理解しつつも片手だけひらひらと振りながら、明るくはあるもののどこか形式的に淡々と下記。その離れていく背中を眺めながら薄ら笑いを浮かべると、やがて悠々と歩き始め自身もその場を後にした )
あぁうん、引き留めて悪かったね
>>11 志賀君