星は眠る  

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1: ◆iE:2024/04/30(火) 10:47




 紫苑と瑠璃蝶々を手向けに(非募) / >>2


 

2: ◆iE:2024/04/30(火) 10:48




あなたの足跡を辿っているのだから見失ったら私はどうしたらいいのだろう。私が救われるにはあなたが必要でどうしても追いつく必要があるのに。


 

3: ◆iE:2024/04/30(火) 10:49





       「 君の正義とは 」

 時は明治、舞台は大日本帝国陸軍。その殺伐とした退廃的な空気によく似合う、厳格で真面目そうな男が一人。そしてその視線の先には、軽薄そうな笑顔を浮かべる男がもう一人。片方は中尉、もう片方は少佐。片方は凡人、もう片方は天才。そして片方は復讐する側、もう片方はされる側。奪い返す男と奪った男。そんな二人による、正義の終わりを迎えるまでの話。



          ✧



 「紫苑:追憶」   >>4
 「瑠璃蝶々:優秀」 >>5



 

4: ◆iE:2024/04/30(火) 10:50




 「 お仕えする御国のため、この命を燃やすことであります。我が国の勝利のために 」 

 名前: 志賀 清充 (しが きよみつ)

 性別: ♂
 年齢: 26

 性格: 生真面目で冗談の通じない石頭。自分の考えをなかなか曲げない頑固な所はあるが、納得さえ出来れば直ぐに考えを改める素直な一面もある。誰よりも強い向上心があり、努力することは厭わないが思うように自身の能力は伸びず、才のない自分を突きつけられ思い悩むこともしばしば。要領が悪く器量もないため改善点もわからないまま周りと自分を比べ劣等感に苛まれることも多い。そのため馴れ合うことはせず一人で行動することがほとんど。人と話すことが嫌いな訳では無いが口下手なため、思うように自分の気持ちを伝えられずに相手を怒らせてしまうことも多々ある。本人に悪意は全くない。秩序を重んじる性格のため、軍の意向に沿い、上司へはしっかりと礼儀をわきまえた対応ができているため上司との関係は良好であることが多い。同僚の規則違反や悪行は規則に則り必ず上に報告する、所謂チクリ魔なため卑しい奴だと周りからの印象は悪いが正しいのは自分だと相手の言葉には耳を貸していない。が、ハートが強い訳では無いので人並みに傷つくこともある。

 容姿: 軍の規則通りの黒髪短髪。伸びてきたと感じれば自身で適当に切ってしまうほど見た目に無頓着である。普段は制帽を被っているため目立つことは無い。意志の強そうな芯のある瞳は言い換えれば目つきの悪い人なわけで、相手をじっと見つめれば睨んでいると捉えられがちなことが悩みの種。目力の強いぱちりとした瞳は一般的な日本人のような茶色がかった黒である。薄い唇は常に結ばれ、変わらない表情。健康的に焼けた身体は日頃から鍛錬の成果か程よく筋肉がついている。軍人らしく無数の傷はあるが目立ったものはない。強いて言うなら右手親指の付け根にぐるりと囲われた縫い跡だろうか。戦いの中で親指を切断され、その後の縫合でなんとかくっついたものの感覚は失われている。身長は158cmと周りと比べると少々小さい。(当時の平均身長は161cm)軍服は上のボタンまでとめ着崩すことなく着用。休日は和服が多い。服にも無関心なため箪笥にはいつ買ったのか覚えていないようなくたびれた着物が数着。物持ちは良い方である。

 備考: 大日本帝国陸軍中尉。体格にも実力にも恵まれなかったが根気と努力だけで這い上がって今の地位に至る。現在の地位に満足せず更に上を目指そうとする心意気や軍人としての厳格な態度を、国への厚い忠誠心からだと評価されたことが昇進の大きな理由。勉学の面ではかなり優秀だが、地頭が良い訳では無いので死に物狂いで努力した結果である。やればやるだけ身につく勉学は好きであり、特に算術が得意。実技の面では特に秀でた才能もなく周りに埋もれてしまっている。凡人である自身とは対照的に天才である相手のことは憎き復讐対象であると同時に、どれだけ努力しても届きそうもない実力の差に畏怖の念を抱いている。基本一人称は「自分」、二人称は「きみ」。同僚や部下の前では一人称は「俺」、二人称は「お前」など、その場によって使い分けている。/清充は軍人である父と朗らかな母の元に双子の弟として生まれる。仲睦まじい家族であったが、父親の背信行為により一家惨殺が言い渡され、その場にいなかった清充を除いた家族3人が殺される。清充が当時6歳の時であった。国にとっては清充の行方を探すことは容易であっただろうが、幼い子供の人数まで把握していなかったか、はたまた意図的に逃がしたか。それは定かでは無い。その後行く宛てのなかった清充は運良く孤児院に拾われる。優しい職員や同じような境遇の子供に囲まれ穏やかな生活を送るも、幼いながら忘れることはなかった。家族を殺された悲しみ、寂しさ、そして相手への憎悪。成長するにつれてその思いは大きくなっていき、ある一つの答えにたどり着く。そう、自身の幸せを奪った憎き相手に復讐すれば良いのだと。その日から清充は軍人になるために勉学に勤しみ、陸軍士官学校へ入学することとなる。その後も順調に学業を終え、それと並行して調べていた相手の名前を知ることが出来る。胸にその名前をしっかりと刻み、自身の復讐を果たすため清充は軍へ入隊した。


 

5: ◆Fy.:2024/04/30(火) 10:52

 


 「 無論勝つこと一択でしょ。勝った方が正義、そうでしょう? 」

 名前: 羅刹 烙( らせつ らく )

 性別: ♂
 年齢: 36

 性格: いつもヘラヘラしており感情の起伏が読めない、飄々とした食えない人間。何も考えてなさそうでいて、割と頭は回る方でリアリスト。戦う理由は単純明快、負けたら自分も死ぬから。仮にこの男が敵国に捕まるようなことがあれば、知っている情報は何もかも吐くだろう。他人に取り入るのが上手く人当たりは悪くない。が、それでいて他人に深入りしないのは気遣いとかでは決してなく、単に興味がないからである。その冷徹さと狡猾さ、そして天賦の才である指揮能力のみで数々の戦場を生き残ってきた。そしてこれからも、きっと。

 容姿: ある程度健康的な体には、無数の傷が存在するものの目立ったものはなさそうだ。艶やかな黒髪は軍内部では長めで、下で一つにまとめられている。ばさばさしているが「忙しいから」の一点張りで切る気はないらしい。瞳は底の見えない漆黒。ややきつそうな印象を与える吊り目、一重。普段から不真面目そうな表情を浮かべているため気にされることは少ない。特に癖のない濃紺の軍服。銃剣、小銃は入隊当時から愛用しているものを今も携帯しているが、今の立場上は余程のことがない限り出番はないだろう。手入れは自らの手できちんとされている。身長168cm。

 備考: 陸軍少佐。一人称俺、二人称君、お前、階級+君。興味がなく覚えていないのか、他人をあまり名前で呼ぶことがない。部下への態度はやや横柄だが、上官には当然それなりの態度を取る。自身について語ることは多くなく、家族構成や家柄などは全くの不明。会話から感じ取れる限り、教養もそれなりにあるようではある。これまでの歴戦を共にしてきた部下たちのことは、少なくとも駒としては憎からず思っているようだ。最近躍進してきた中尉がいると耳にして興味を持っている。/幼少期から自らの才能に自覚的であり、上記の通り自己防衛を理由にして軍に入隊した。入隊初期に心理面での強靭さを試されて罪人の処刑を任されたことがある。細かいことは忘れているが、斬り捨てた人命の軽さがやけに呆気ないものだったということだけ、覚えている。


 

6: 羅刹 烙 ◆Fy.:2024/04/30(火) 10:55

 

( 先程まで降っていた雨は、陰鬱な空気だけを残して静かに止んだらしい。ぱちり、瞬きをしてひとつ深呼吸をしては、状況が落ち着いたらしいということを実感する。間もなく近寄ってきた大尉から今回の報告を耳にして、うん、うんと適当に受け答えをしながら灰色の空を眺めていた。途中で聞いているのかと詰られるが当然と応えて続きを促す。当然、聞いていない。聞かずとも勝利報告なのは分かっている。頃合いを見て適当に切り上げさせ、次の戦争のことを考え始める。落ち着かない時にぐるぐると同じ場所を歩き回るのはいつもの癖だ。次の敵の部隊の特徴は、場所の有利不利は、動員できる人数は。周囲はやけに騒がしい。勝利したことに浮足立っているのだろう。いつもそうだ。多少の代償を払って、その分終戦に近づいた気がするだけ。それ以上もそれ以下もなく、この空のように、平坦でつまらない日々が続いていくのだろう。そうして足を止めたところで、ふと視線の端に映った男の姿が気にかかる。ああ、誰だったか。そう、確か、この間の報告に上がっていた中尉だ。自身も異例の昇進を遂げている身、見込みがある部下には好奇心も動かされるというものだ。一度話でも聞いてみよう。そうと思えばずかずかと無遠慮に近づき、多少態とらしい声色で下記述べては笑顔を浮かべ )

  これはこれは。時に君、つい最近昇進したとかいう中尉君かな

 >>噂の中尉君

 

7: 志賀 清充 ◆iE:2024/05/02(木) 14:54



( 湿った空気に身も心も重たくなるような気がして小さく息を漏らす。分厚い軍服が肌にまとわりつくような感覚に眉をひそめつつも足を早める。向かうは直属の上司の元である。軍が勝利したという情報は届いてる、きっとその事での呼び出しだろう。自身にとってそれはさほど興味のあることではなく、しかしそれを悟られる訳にはいかない。誰よりも国に対して従順であり、忠誠を示すことが出世への近道だということを理解しているからだ。上官とは今後の軍の動向にについての話になると予想でき、何を問われても返答出来るよう頭を回しながら足を早める。考え事をしていると周りへの意識が疎かになってしまう、だから話しかけられるまで気づかなかったのだろう。不意に話しかけられ、例の男の存在を認識する。それと同時にぞわりと悪寒が走り、全身が強ばる。今話しかけられたのは俺か、何故。動揺を隠そうと短く息を吐く。心臓の鼓動は速いまま落ち着く様子を見せない。 だが此奴は自身のことなどこれっぽっちも知らない筈である。ほんとうに気まぐれに話しかけてきただけに過ぎない、そういう男なのだ。どくどくと煩い心臓と裏腹に少しの冷静さを取り戻す。_全く白々しい笑顔だ、薄気味悪い。心の中で悪態を付く余裕が生まれた頃、相手を見据え口を開き下記。)

 はっ、陸軍中尉志賀清充であります。…どうかされましたか、羅刹閣下

 >>5 羅刹少佐


 

8: 羅刹 烙 ◆Fy.:2024/05/03(金) 00:47

 

  まあまあ、そんなに緊張しないで

( ぴしりとした空気を纏う彼から、その見た目通りの堅い言葉が返ってくる。それはそうだ、階級が二個上の関わりのない人間に話しかけられて緊張するなは流石に無理があるだろう。まあ自分はそんなことは気にしない側ではあるけれど。それでも自分に悪意も敵意もないことを示すため笑顔は崩さずにやや眉を下げながら宥めるように猫撫で声で上記。そのまま少しだけ目を細め、目の前の男をゆっくりと見つめる。湿った空気の方から離れていきそうな程に厳格で生真面目そうなその姿は、小柄ではあるものの確かに誰が見ても完璧な軍人そのものだと言えるだろう。軽薄と適当さを売りにしている自分に好印象はまず抱かないだろうな、と脳裏に掠めつつもう一歩だけ近づいて下記述べ。品定めと言えば聞こえが悪い。彼の目には本気さを感じる。何故ここまで国に尽くせるのか。自分にしては珍しく、純粋に興味があるのだ。 )

  俺も話は聞いてるよ、優秀な部下もいるものだね

 >>7 志賀君

 

9: 志賀 清充 ◆iE:2024/05/07(火) 01:07



( 目の前の男はへらへらとした笑みを浮かべ、自身へ近づく。やはり話しかけてきたのは気まぐれに過ぎないのだろう、軽薄そうな面持ちに反吐が出る。_自分に力さえあれば今すぐにでも息の根を止めてやれるのに、きっとこの男にはまだ敵わない。近づけば嫌という程感じる男と自身の体格差、相手の余裕そうな表情を前に無謀な戦いを挑むほど感情的では無い。ぐっと拳を握りしめ、ふつふつと沸いてくる怒りの感情を押し込める。まだその時でないだけだ。いつか、必ず。そう言い聞かせるように自身の心を落ち着け相手の方へ向き直る。が、何を考えているか分からない笑顔に不気味さを感じ思わず唾を飲む。人間誰しも分からないものに対しては恐怖を感じるものだ。きっと自分の体が強ばるのは緊張などではなく得体の知れないものへ対する恐れからだろう。男にじっと見つめられそらす訳にもいかず相手を見据えながら下記。 )

 お褒めのお言葉、大変光栄であります。今後も精進いたします

  >>8 羅刹閣下


 

10: 羅刹 烙 ◆Fy.:2024/05/09(木) 19:05

 

  うんうん、殊勝な心掛けだ

( 良く言い表せば正しい、多少穿った見方をするならば型に嵌った台詞。彼らしいとも言えるし、軍人らしいとも言える。それを認めてやるとでも言いたげに目を閉じ大きく一度頷きつつ、感心したような多少上擦った声色で上記。けれどどうだろう、今の彼の態度はどこか緊張とは違う雰囲気を感じる。ような。気のせいかもしれないが、と片手を顎に当て思案しながら、閉じていたことで切れた視線の交わりをもう一度取り戻すべく勿体振ったようにゆっくりと目を開く。自らの表情から笑みが消えていたことに、そこで初めて気がついた。そのことに一瞬だけ薄い苦笑を浮かべ先程一歩詰めた分を軽い足取りで引き下がると、素知らぬふりで再度笑顔を作りどこか楽しそうに下記。ならばこれでどうだろうか。答えやすいことを口にしたとは思っていない。嵌ったものを崩すのは得意だ。陣形を瓦解させた後は攻め続けて、やがて勝つのが自分だ。まあ自分には、それを元には戻せないけれど。当然、そんなことはどうでもいいので。 )

  そんな感じなら直ぐにでも大尉になってさ、いつか俺のことだって追い越しちゃったりしてね

 >>9 志賀君

 

11: 志賀 清充 ◆iE:2024/05/10(金) 13:51



 …いえ、自分などまだ足元にも及びません

( 相手の目に酷く冷たい光を見た。勘違いかと思うほど短い間であったが確かに見たのだ、酷く冷たい瞳を。不自然なほどの笑顔も不気味であったが、笑みの消えた表情はまた違った不気味さを漂わせていた。強ばる顔を無理やり動かし上記を述べる。声は震えていなかっただろうか。もうすっかり元の胡散臭い笑顔に戻った奴の方から距離を取ってくれたのは正直ありがたい。バクバクとうるさい心臓の音に気づかれないうちにこの場から逃げたかった。背筋に嫌な汗が流れるのを感じる。何を怯えることがある、いつかは立ち向かわなくてはならない相手であるのに。自分がこんなにも情けないやつであると知りたくなかった。出会えば勢い余って1発食らわしてやるかもしれぬ、と憤っていたのにこの有様だ。あの日、ただ見ていることしか出来なかった幼き自分と一体何が変わるのだろうか。あの時から何も変わらず、いつまで経っても腰抜けで腑抜けなままなのか。留まることを知らない嫌な記憶は頭を駆け巡り思考を麻痺させる。その頃には相手の顔を見ることすら出来ず俯き、逃げるように下記 )

 お話の途中申し訳ありませんが、上官に呼ばれているため失礼致します

  >>10 羅刹閣下

 

12: 羅刹 烙 ◆Fy.:2024/05/11(土) 13:06

 

  まあ、そのくらいの気概で頑張ってねってことで

( 多少は期待を掛けて返答を待っていたが、すげなく流されてしまった。面白くないな、という態度を声色の端に態と少しだけ滲ませつつ、相変わらずの笑顔のまま軽い口振りで上記。これで彼が更に努力しようと思えるならば、過程はさて置いても構わないだろう。さてまあ、話し込みすぎても仕方ないと思ったところで、そのまま相手方からふいと視線を逸らされると一も二もなく逃げられてしまう。あーあ、と溜息をつく。もう見てはいないと理解しつつも片手だけひらひらと振りながら、明るくはあるもののどこか形式的に淡々と下記。その離れていく背中を眺めながら薄ら笑いを浮かべると、やがて悠々と歩き始め自身もその場を後にした )

  あぁうん、引き留めて悪かったね

 >>11 志賀君

 

13: 志賀 清充 ◆iE:2024/05/17(金) 10:24



 …まだか、

( ざわざわと落ち着きのない空気はいつまで続くのだろうか。隣の空席に目をやりながら息を吐く。そして小さく呟くように上記。_懇親会とは名ばかりの食事会へ招かれ待つこと数十分。いくつかの空席のせいでなかなか始まらない会に痺れを切らした何人かの者は談笑を始めており、会場はかなり騒がしい。特に話す相手もおらず手持ち無沙汰のまま時間は流れてゆく。全く、軍人にとって時間厳守というのは基礎中の基礎であるというのに。自分の地位に胡座をかいている愚か者が。締りのない空気に多少の苛立ちを感じつつも姿勢と表情は崩さないよう気を配る。俺は周りの奴らとは違う、こんなとこで気を抜くなど阿呆のすることである。心の中で悪態をつく事は忘れない。と、後ろの方でドアの開く音がした。コツコツと靴の音を鳴らして入室していたのは空席の主達だろう。途端に部屋の空気は一変し、しんと静まり返る。…ああやっと始まる。腹の虫はとうの昔に泣き疲れている。食事会などの集まりは好きでは無いがここで出される飯は大変美味である。さっさと食べて早急に退室しようと考えていた時、隣の空席が埋まる。席はおおまかに階級により分けられているが他は自由であるため毎回誰と隣合うのかわからな。1度でも話したことのある相手のほうがいいのだが、さて誰だろう。ちらりと目をやるとそこに居たのは。 )

 ………、

 >>羅刹閣下

 

14: 羅刹 烙 ◆Fy.:2024/05/17(金) 14:34

 

  全く、人使いが荒いんだからね

( 踏み込んだ絨毯の柔らかさが軍靴を受け止め足音を打ち消した。数分前まで大佐からの呼び出しに応じてやっていたというのに、食事会にまで間に合わせろとは此れ如何に。いや懇親会だったか、まあどうせ食事をして話すだけなのだから同じようなものかと苦笑する。自分が原因で遅れているわけでもないし、そもそも食事会に駆け込むのも行儀が悪いと体裁の良い言い訳を考えながら、悠長に廊下を歩いていく。その間も矢鱈と落ち着きなく周囲を見回すと、凝った装飾品などに目をやり毎度のことながら随分と洒落込んだ建物を選んでいるものだと内心で思いながら、人通りがないのを良いことに溜息交じりに小声で上記。歩くうちに他人の気配がして、上司であっては困るので一応姿勢だけは正してみる。やがて同じように何かしらで遅れたであろう人間を見かけるがお互い焦っている(自分はその体である)ため干渉はしないまま歩き続ける。そのうちに絨毯が途切れ現れた扉を多少乱暴に開き、受付で教えられた場所を探す。果たして少佐の割り当ては何処だったか、と思ううちに場が静まり返った。先程まで好き勝手喋っていたのだからそうしていれば良いのに、と思ったが、手をつけられていない食事を見るにどうやらまだ懇親会は始まってもいなかったようだ。こういった場での時間厳守ができない人間など無視して始めているものだと、とは思うものの当然ここで口に出すわけにもいかない。そうこうするうちにやっと空き席を見つけ、とにかく座って隣の少佐とにこやかに軽く挨拶を交わす。反対側の人間にもと目を向けるとそこには先日話しかけた中尉の彼がいた。そういえば2階級差だったかと思いつつ笑って下記 )

  あぁ君は、しばらくぶりだ

 >>13 志賀君

 


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