うんうん、殊勝な心掛けだ
( 良く言い表せば正しい、多少穿った見方をするならば型に嵌った台詞。彼らしいとも言えるし、軍人らしいとも言える。それを認めてやるとでも言いたげに目を閉じ大きく一度頷きつつ、感心したような多少上擦った声色で上記。けれどどうだろう、今の彼の態度はどこか緊張とは違う雰囲気を感じる。ような。気のせいかもしれないが、と片手を顎に当て思案しながら、閉じていたことで切れた視線の交わりをもう一度取り戻すべく勿体振ったようにゆっくりと目を開く。自らの表情から笑みが消えていたことに、そこで初めて気がついた。そのことに一瞬だけ薄い苦笑を浮かべ先程一歩詰めた分を軽い足取りで引き下がると、素知らぬふりで再度笑顔を作りどこか楽しそうに下記。ならばこれでどうだろうか。答えやすいことを口にしたとは思っていない。嵌ったものを崩すのは得意だ。陣形を瓦解させた後は攻め続けて、やがて勝つのが自分だ。まあ自分には、それを元には戻せないけれど。当然、そんなことはどうでもいいので。 )
そんな感じなら直ぐにでも大尉になってさ、いつか俺のことだって追い越しちゃったりしてね
>>9 志賀君
…いえ、自分などまだ足元にも及びません
( 相手の目に酷く冷たい光を見た。勘違いかと思うほど短い間であったが確かに見たのだ、酷く冷たい瞳を。不自然なほどの笑顔も不気味であったが、笑みの消えた表情はまた違った不気味さを漂わせていた。強ばる顔を無理やり動かし上記を述べる。声は震えていなかっただろうか。もうすっかり元の胡散臭い笑顔に戻った奴の方から距離を取ってくれたのは正直ありがたい。バクバクとうるさい心臓の音に気づかれないうちにこの場から逃げたかった。背筋に嫌な汗が流れるのを感じる。何を怯えることがある、いつかは立ち向かわなくてはならない相手であるのに。自分がこんなにも情けないやつであると知りたくなかった。出会えば勢い余って1発食らわしてやるかもしれぬ、と憤っていたのにこの有様だ。あの日、ただ見ていることしか出来なかった幼き自分と一体何が変わるのだろうか。あの時から何も変わらず、いつまで経っても腰抜けで腑抜けなままなのか。留まることを知らない嫌な記憶は頭を駆け巡り思考を麻痺させる。その頃には相手の顔を見ることすら出来ず俯き、逃げるように下記 )
お話の途中申し訳ありませんが、上官に呼ばれているため失礼致します
>>10 羅刹閣下