>>97
魔王は再びため息をつく。
「私は国の王でも何でもない……」
魔王はじわじわと怒りを感じ始めていた。いつもの余裕に満ち溢れた顔は僅かに歪み、狂気が小さく渦巻いていた。
「困りますな、勝手に敷居を跨がれては……」
総督を後ろへ隠し、魔王は力を解き放つ準備をする。
「自ら出ていくか、私に追い出されるか、決めるがよい」
月はただただ、その様子を見守っている。
クッ、我らを侮辱するか・・・かまわん、ほうげきせい
無数の砲弾が森に落ち、火がつく