>>110
壱『…はぁ、そういうお人好しなところが嫌いなんですよ、私は』
(ぱっぱっと、手を振る)
壱『あの方を守るなどということは、私共にもできません、出来ないから、弐が宙様をあんなにも強く抱き締めているのです、…あの人も…主様もわかっているでしょうに…』
(ギリッと、唇を噛む)
……………
…あの人を根本的に救う事…それは最早壱さんたちも好きな言葉、「無駄」に近いもの…
守る事は微々たる効果、そうしても困難、辛うじて寸分の時を生き長らえるのみ
…私たちがやっている事…それはもう、死に際の彩りでしかないのかもしれませんね
…ちっぽけな魂一つで、どれ程花を添えられるものか…