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[ 赤の魔物達 その3 ]
その後 直ぐに反乱が起きました。側近達は必死に弁解をしましたが聞く耳を持ちません。
魔王は 自身の罪だと受け入れて抵抗していませんでした。
( ...因みに魔王が居なくなると魔物達は統率を失うと言われていたり、人間への被害は少なくなると言われていましたが 魔物と人間が手を組んだ時は...何故か魔王が居た時よりも統率は取れていたり 被害が大きかったそうです )
そして遂に 彼等は捕らえられてしまい その鬱憤を晴らしたり 試作品の試しだったりと 魔物や人間達に 恨みを放たれて 傷付けられていきました。
魔王は例え炙られても 串刺しにされても 拷問を受けても ....耐えました。此れが自身の罰なのだと。仕方が無い事だと。
しかし側近達が衰弱し 今にも死にそうになった所で ...赤子を殺したりも出来なかった魔王は 彼等の為だけに
その場に居た魔物と人間を全員“沈めて” “溶かして” 殺しました。
皆殺しにして再び自由を手にした後 弱りきった彼等の前で魔王は土下座し一言。
「 すまなかった 」
この一言に 彼等は不思議な気持ちになりました。この謝罪は 恐らく魔王の色んな気持ちが詰まったモノだと 彼は.... 王としての器だが “魔王の器” では無いと。
そして 魔王としてこれから始まるのだと 彼の身体が黒く染まり その黒かった目が眼全体に広がり中心に深紅の瞳孔が開かれた その時から
_______彼は魔王として 生きた。
それから数年後
___________魔王は死にかけていました。
勿論襲って来た者は全員返り討ちにしましたが。
正義の者達から不意打ちを喰らい そして拷問で受けた古傷が開いた事により ...瀕死の状態になっていました。
側近の彼等は何とか魔王を救う方法を探しました。其々の持ってる治療術を試してみましたが 結果は変わらず。 側近達も ...家族 と思える様な心が芽生えていました。
魔王は死ぬ寸前まで彼等に謝罪を続けました。綺麗事と言ったらそれで終わりかもしれませんが ...彼等にとっては とても悔しく 自分達は無力だと思い知らされました。
しかし魔王は最期 ...死ぬ前に 彼等にとっての
ノロイノユイゴン
【 救いの言葉 】を放ちました。
今は無力でも仕方ない 逆に考えればまだまだ成長出来るのだよ 皆も、我も。
数百年も経てば 恐らく我も ...生き返れるかもしれない。だが決して無理はせず 自分達の出来る やれる事をするのだ。
_____________なぁ、皆よ。 約束は最後まで守り通そうじゃあ無いか。 其れはヒトらしく そしてとても 賢い者の選択なんだ。 だから約束、してくれるか?
我 を 復 活 さ せ て く れ
最期まで魔王は笑いを絶やさず 側近達の頭を撫で 1つのおまじないを掛けてから 死亡、しました。
[ 赤の魔物達 その4( 最終章 ) ]
魔王の死亡が伝われば 魔族や人間は安心して 魔族はまた次の魔王はどうするのか という話題で魔界は一杯になりました。
そこで代理として魔人が魔王を務める事になり、他の魔族達も納得をしました。
魔族達はまた城に仕える様になり 人間との共存も変わらず続けましたが ... 魔人が魔王らしい事(悪戯)をする様になった結果 人間との共存はまた難しい形になりました。
その後はそれぞれ 自由に暮らす事となり 城には魔人ただ一人。約束のその時まで ただ一人。
....偶にくる友人達を持て成しつつ 他の赤の魔物達の帰りを待ちながら 彼はただ過ごしました。
そして魔人は リストを作りました。魔王復活の為の その必要な生贄を。そして当然それは全て集め終わり ....魔人も魔王も その立場を戻りました、とさ。
これは“本史” 魔王は魔王と呼ばれる程では無い しかし 王で有る。優しく儚く ....そして家族に優しい最高の親である。
〜〜〜〜〜〜〜F I N ...?〜〜〜〜〜〜〜
[ 復活の リスト ]
・ 魂の欠片 1g
・ 魔人の指 50本
・ 感情の色 12色
・ 霊体 5体
・ 灼熱 約500℃
・ 鬼の髪 3束
・ 家臣の血 それぞれ50ML
・ 純白の鳥と純黒の鳥 1羽ずつ
・ 泥 100kg
・ 神に近い者の力 小さじ一杯分