きみのための物語

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46:◆rDg:2021/01/26(火) 23:59

>>42

[ 赤の魔物達 その2 ]

魔物達は次第に“魔物の姿から人の姿”へとなっていきました。そして精神は魔物に似つかわしくない 小さな光を持ち ....“魔王五位” と呼ばれた事もあったそうな...。

赤手は百足の様に手が無数に生えた魔物でしたが (魔物の姿については諸説有り)次第に“魔人” と呼ばれる様になり 物を持ち運びしたり 書物を纏めたり と魔王に一番近い側近でした。後の「ザレッド・イニール」である。

赤面は黒い球体に濁った色の面が多数張り付いた魔物でしたが ある仮面にその身体を取り憑かせ “付喪神”と言う存在になり 人々を喜ばせたり 何か不祥事が起きてないかと街中の監視などをしていました。後の「面皮赤仮」である。

赤霊は耳が蝙蝠の様に大きく長身で全身が白肌と恐怖の魔物で幽霊でしたが その存在が認められてからは逆に 子供達が夜更かししない様にと 少々行為が認められたり 真面目に魔人や魔王の手伝いをしたり 魔族の治療をしました。後の「ブレシュール・ルージュ」である。

赤猫は火炎が身を包みその炎の形相から百獣の王と勘違いされる程気高く そして強い魔物でしたが 実際は心が温まり癒される程可愛らしく 飯を上げれば一緒に遊んでくれる 優しい魔物であり また番犬としての役割も果たしました。後の「メラー・レギオン」である。

赤鬼は刺々しい氷の羽衣を纏い その氷は透明では無く血で濡れており とても怖いと噂されていましたが 実際には酒と強い奴が好きな鬼で 弱いもの虐めはせず 基本誰にでも均等に接しました。次第に血の氷も溶け 現在は幼い姿で 青の色にも通じる様になり 魔物達から頼られる存在になりました。後の「ヴェルメリオ」である。

 

そんなある日、一匹の魔物が言いました。


「 魔王って本当は何もしていない 俺達の上でただふんぞり返る “ 最低の偽物 ” なんじゃないか? 」


その噂は次々に広がり 魔王の側近にも嫌な噂は聞こえました。 そして魔人はこれに激怒し その噂を広めた張本人で有る魔物を 半殺しにしました。

しかし此れが魔王の耳に入ると、全ての魔物 そして敵対している人間達にも とある集会を開きました。


自分の弱さと言うモノを、嘘偽りなく ハッキリと伝えました そして最後に一言


「 人間達よ、我々と共存する道を歩まないか? さすれば未来は明るく そして平和な世へとなる 」



そのスピーチに 大ブーイングが巻き起こり ....その偽善者の様な発言に 魔王の思惑通り 人間と魔物は手を組みました。



_____________無能な魔王と 哀れな側近達の殺害を目的に。


◆rDg:2021/01/27(水) 00:34 [返信]


[ 赤の魔物達 その3 ]


その後 直ぐに反乱が起きました。側近達は必死に弁解をしましたが聞く耳を持ちません。
魔王は 自身の罪だと受け入れて抵抗していませんでした。


( ...因みに魔王が居なくなると魔物達は統率を失うと言われていたり、人間への被害は少なくなると言われていましたが 魔物と人間が手を組んだ時は...何故か魔王が居た時よりも統率は取れていたり 被害が大きかったそうです )

そして遂に 彼等は捕らえられてしまい その鬱憤を晴らしたり 試作品の試しだったりと 魔物や人間達に 恨みを放たれて 傷付けられていきました。

魔王は例え炙られても 串刺しにされても 拷問を受けても ....耐えました。此れが自身の罰なのだと。仕方が無い事だと。

しかし側近達が衰弱し 今にも死にそうになった所で ...赤子を殺したりも出来なかった魔王は 彼等の為だけに


その場に居た魔物と人間を全員“沈めて” “溶かして” 殺しました。


皆殺しにして再び自由を手にした後 弱りきった彼等の前で魔王は土下座し一言。


「 すまなかった 」

この一言に 彼等は不思議な気持ちになりました。この謝罪は 恐らく魔王の色んな気持ちが詰まったモノだと 彼は.... 王としての器だが “魔王の器” では無いと。
そして 魔王としてこれから始まるのだと 彼の身体が黒く染まり その黒かった目が眼全体に広がり中心に深紅の瞳孔が開かれた その時から
_______彼は魔王として 生きた。


それから数年後


___________魔王は死にかけていました。

勿論襲って来た者は全員返り討ちにしましたが。

正義の者達から不意打ちを喰らい そして拷問で受けた古傷が開いた事により ...瀕死の状態になっていました。

側近の彼等は何とか魔王を救う方法を探しました。其々の持ってる治療術を試してみましたが 結果は変わらず。 側近達も ...家族 と思える様な心が芽生えていました。

魔王は死ぬ寸前まで彼等に謝罪を続けました。綺麗事と言ったらそれで終わりかもしれませんが ...彼等にとっては とても悔しく 自分達は無力だと思い知らされました。

しかし魔王は最期 ...死ぬ前に 彼等にとっての

ノロイノユイゴン
【 救いの言葉 】を放ちました。



今は無力でも仕方ない 逆に考えればまだまだ成長出来るのだよ 皆も、我も。
数百年も経てば 恐らく我も ...生き返れるかもしれない。だが決して無理はせず 自分達の出来る やれる事をするのだ。


_____________なぁ、皆よ。 約束は最後まで守り通そうじゃあ無いか。 其れはヒトらしく そしてとても 賢い者の選択なんだ。 だから約束、してくれるか?


 我 を 復 活 さ せ て く れ


最期まで魔王は笑いを絶やさず 側近達の頭を撫で 1つのおまじないを掛けてから 死亡、しました。


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