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(恐ろしいほどの静寂の中。百人程度の信者達がまるで人形のように制止していた。
そこへ現れる一人の女。先頭の信者が目深に被ったローブごと頭を上げる。)
『番号』を言え。新たな使徒よ。
ハリジャ様から賜った聖なる数字を。
いいこと思いついたのにお前がいきなり話しかけてきたせいで忘れちゃったじゃんか。ばーーか。
( 古びた匂いのする部屋で、信者たちは馬鹿みたいに写真の一部を演じているのか、不気味にピタッと止まったままで。でも )
顔はちゃんとそれぞれ違うんだな。なんか安心した。ちゃんと人間なんだな、お前ら。そうだ、さっき話しかけてきた奴だれー?あ、お前だ。
( さっき話しかけてきたヤツの肩に手をかけて、私は問うた )
お前らさ、回帰教にこない?信仰対象はあんまないけど、強いて言えばツァラチッ!すまん、噛んだ。ツァラトゥステュッ!噛んだ。
もう一回。ツァラトゥストラ!言えたぞ。
おい、なに黙ってる。褒めろよ。モブ。