>>62
いいこと思いついたのにお前がいきなり話しかけてきたせいで忘れちゃったじゃんか。ばーーか。
( 古びた匂いのする部屋で、信者たちは馬鹿みたいに写真の一部を演じているのか、不気味にピタッと止まったままで。でも )
顔はちゃんとそれぞれ違うんだな。なんか安心した。ちゃんと人間なんだな、お前ら。そうだ、さっき話しかけてきた奴だれー?あ、お前だ。
( さっき話しかけてきたヤツの肩に手をかけて、私は問うた )
お前らさ、回帰教にこない?信仰対象はあんまないけど、強いて言えばツァラチッ!すまん、噛んだ。ツァラトゥステュッ!噛んだ。
もう一回。ツァラトゥストラ!言えたぞ。
おい、なに黙ってる。褒めろよ。モブ。
神は生きている。
貴様のような狂信教には興味がない。
ハリジャ様は必ず私達を救ってくださる。
(話しかけられた先頭の男は一切表情を変えずに淡々と語る。
そのローブの下には垂れた獣の耳があった。よく周りを見渡せば、信者共にはどれも角や獣耳がローブの隙間からのぞいている。異種族の集まり。)
しかし、この場所に召喚されたということは、ハリジャ様に救われる資格を得たということ。
なにゆえ番号を持ち得ていないのかは分からないが、女。
後列の最後尾に膝まずけ。