>>93
…なんですか、この不要な情報は。
なるほど、あなた…わたくしの正体をご存知になったのですね。
ならば生きて帰すわけにはいきません。
あなたの命令を聞き入れるのは尺ですから、そうですわね…
わたくしが命令いたしますわ。
死になさい。
(刹那、男の頭上に影が落ちる。振り上げた腕、その指の先で操るのは巨大な魔力の結晶。
淡く桃色に光る氷のようなそれは、男を押し潰そうと落ちてくる。)
お前の種族が誰かに知られれば不都合な物なのか?
(何が良くないのか理解していない)
滅尽せよと言われて素直に死ぬ訳にはいかないな。
(不敵に微笑むと左手で左目を隠す)
"止まれ"
(右目が黒く変色する。すると此方に迫る魔力の塊の速度が減衰する。瞳術で運動エネルギーを減らしたのだ)
砕けろ。
(跳躍する。右腕で魔力の塊に殴打すると魔力の塊が粉砕される。凄まじい膂力だ)
まだまだ…だな。
(着地すると右手を見遣る。痺れる感覚を多少は感じるが威力不足だと感じる)
今度は此方が行くぞ。
(話した瞬間に男の姿が掻き消える。俊敏に走って移動した男は貴女の背後に周り込んだ。右腕で貴女の首を締めようとする)